女優・タレントの生駒里奈さんと、仮想ライブ空間「SHOWROOM」社長・前田裕二さんが「今を生き抜く力」をテーマに対談。変化の激しい時代の中で、二人はどのように「生き抜く力」をとらえているのでしょうか?

独自の視点は貪欲なインプットとアウトプットの姿勢によって磨かれる

 新しいサービスや流行が次々と生み出される変化の激しい時代のなかで、自分を進化させていくためには、どのような力が求められているのでしょうか? そのヒントを発信するために、2018年12月1日に東京ミッドタウン(東京都港区)で開催された「WOMAN EXPO TOKYO 2018 Winter」の中で、「変化の時代を生き抜く力」と題し、女優・タレントの生駒里奈さんと、仮想ライブ空間「SHOWROOM」の代表取締役社長である前田裕二さんのトークライブを行いました。

 今回は、その様子をリポートでお届けしていきます。聞き手は、日経BP総研・品田英雄マーケティング戦略ラボ・上席研究員です。


(中央)女優・タレントの生駒里奈さん、(右)「SHOWROOM」代表取締役社長・前田裕二さん

品田英雄(以下、――) 最初のトークテーマは、「個の力や独自性が求められる時代に、悩み苦しむ女性へのメッセージ」です。前田さんは独自の視点で、市場にはなかった生配信限定の仮想ライブ空間「SHOWROOM」を作り出しましたよね。その独自の視点は、どうやって養っているんですか?

前田裕二さん(以下、敬称略) 二つあります。

 一つは、貪欲なインプットの姿勢。すなわち、常に情報のアンテナを張り巡らせて、世の中の森羅万象から学びを得る、ということです。一般的に「独自の視点」と呼ばれるものは、実は必ずしも「独自」ではない。つまり、自分の中から急にゼロベースで湧き出て生まれてくるアイデアなどそうそうない、ということです。その意味では、本当のオリジナル、などというものはなく、一定量のインプットは必要不可欠です。

 加えて、そもそも、自分の視点が独自かどうかは、世の中全体を知らなければ分かりませんよね。自分の例で言うと、1日1冊の本を読んだり、ニュースや新聞もかなり意識的に丁寧に見たりしていますが、それも世の中全体を知り、何が独自で、独自でないのか、を知るために欠かせないことです。

――なるほど、たくさんインプットをしているんですね。

前田 そうです。そして二つ目は、良質なアウトプットの場を持つこと。インプットした情報に対して特に何の解釈も加えず、そのままにして放っておくだけでは、情報が価値を生み出さない。それらをもとに意識的にたくさんアウトプットに転換したり、アウトプットに転換できずとも、まずは何らかのアウトプットのための「強制力」を持つことが非常に重要です。

 強制力の持ち方については、まずは、アウトプットをせざるを得ない「空の箱」を自ら作って、その中身を埋めていくのがいいです。

 例えば、この質問についての、僕の最初の反応を思い出していただけるとうれしいのですが、まず僕は、質問を受けた際に、ぱっと一つの回答しか思い付いていませんでした。にもかかわらず最初に僕は「二つある」とお伝えしました。

 これは面白い脳の働きなんですが、自分の中で「独自の視点を育む方法を“もう一つ”出す」と決めて、中身を埋めるべき空き箱を先に作ってしまえば、あとはもう必死に考えてそこを埋めざるを得ないので、自然とアイデアが脳の中から引っ張り出されてくる、と。最初は難しいですし、必ずしも即興でやらなくてもいいのですが、独自の視点創出のためには、まずは何より、「視点をアウトプットせざるを得ない状況」をつくってしまうのが得策です。

自分のよさを分かってくれる人を増やしていく

―― 一つ目のテーマから、すごい回答が出ましたね。続いてのテーマは、「自分の見せ方」について。生駒さんは22歳という年齢の割に落ち着いている印象があります。

生駒里奈さん(以下、敬称略) もともとの性格が根暗なので、若い女の子特有のキャピキャピとした振る舞いが苦手なんです。舞台で共演した方からも「走り方がオジさんみたいだよ」と言われました。でも、これが「素の自分」なので、このままでいいのかなと思っています。

前田 その考え、すてきですね。先ほど楽屋でご一緒した時にも、「つい、オジさんになっちゃうんですよね」と言っていましたね。

生駒 気づいたらそうなっているんです。実は一時期、「かわいらしいことを言う」「かわいい動きをしてみる」ということにもチャレンジしたことがあるんです。でも、ドッキリの番組企画で、ほかのメンバーはとっさに「キャーッ」(って言って小さくなってしゃがみ込む)。そんなとき私は「ぎゃあああ」って(胸張って、腕も伸びきって)どうにもかわいくなくて……(苦笑)。

―― それはもう、しょうがない(笑)。

生駒 そうなんです。だから、自分がもともと持っているものを変えることは諦めました。その代わりに、「万人受けしなくてもいい。自分のことを面白いと感じてくれる人を、ちょっとずつでいいから増やしていこう」と考え直したんです。