2018年11月30日、12月1日に開催された働く女性のためのイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2018 Winter」(東京ミッドタウン)。日経doors創刊前イベントとしてスペシャルセッション「ハヤカワ五味さん・堀江敦子さんに聞く『わたしが開くトビラ』」が開催されました。注目を集めるdoors世代の女性経営者、ハヤカワ五味さんと堀江敦子さんが、仕事と自己成長について熱いメッセージを語りました。(司会は日経doors編集長・鈴木陽子)

ウツワ代表取締役のハヤカワ五味さん(左)、スリール代表取締役の堀江敦子さん
ウツワ代表取締役のハヤカワ五味さん(左)、スリール代表取締役の堀江敦子さん

「好きで長く続けられること」が自分のコアになる!

鈴木陽子・日経doors編集長(以下、鈴木) 本日は20代、30代の女性経営者のお二人にいろいろお聞きしたいと思います。この世代の働く女性には、「好きなことを仕事にして追求したい」と考える方が多いと思います。そこで本日の一つ目のテーマは「これからは『自分の好き』を仕事にする」です。ハヤカワさん、堀江さんともに、起業家であるという共通点がありますね。

(右から)堀江敦子さん、ハヤカワ五味さん、鈴木陽子・日経doors編集長
(右から)堀江敦子さん、ハヤカワ五味さん、鈴木陽子・日経doors編集長
ハヤカワ五味(ハヤカワ ゴミ)さん ウツワ代表取締役社長。1995生まれ、東京出身。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。大学入学直後にワンピースブランド「GOMI HAYAKAWA」、2014年にランジェリーブランド「feast」、17年にワンピースブランド「ダブルチャカ」を立ち上げた
ハヤカワ五味(ハヤカワ ゴミ)さん ウツワ代表取締役社長。1995生まれ、東京出身。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。大学入学直後にワンピースブランド「GOMI HAYAKAWA」、2014年にランジェリーブランド「feast」、17年にワンピースブランド「ダブルチャカ」を立ち上げた

ハヤカワ五味さん(以下、ハヤカワ) 自分が本当に好きなことを仕事にしたい、とは以前から思っていました。その夢をかなえていると思われることが多いんですが、本当はイラストレーターになりたかったという思いもあります。すごく熱中できて長く続けていけることを仕事にしたい、という気持ちは人より強いかもしれないですね。

堀江敦子さん(以下、堀江) 私はもともと子どもが大好きで、中学生の頃から200人以上のベビーシッターをしてきました。保育園や、高齢者の方向けのボランティアをしていた中で「日本て生きづらいな」と思ったんです。ライフステージが変わると自分らしく生きられないことが多いし、子育てや介護など、未来のことを知る機会が少ないことにすごく疑問を感じました。

堀江敦子(ホリエ アツコ)さん スリール代表取締役社長。2007年、日本女子大学社会福祉学科卒業。大手IT企業勤務を経て、10年に25歳で起業。現在は「子育てしながらキャリアアップできる人材と組織を育てる」をコンセプトに、企業向けに若手女性・復職社員・管理職向け研修を展開
堀江敦子(ホリエ アツコ)さん スリール代表取締役社長。2007年、日本女子大学社会福祉学科卒業。大手IT企業勤務を経て、10年に25歳で起業。現在は「子育てしながらキャリアアップできる人材と組織を育てる」をコンセプトに、企業向けに若手女性・復職社員・管理職向け研修を展開

堀江 現在、子育てをする前の女性に聞くと「仕事と子育ての両立が不安」という人が92%以上もいます。ならば、そういう不安を解消していくために、実際に仕事と子育ての両立を体験したり学んだりできる事業をすればいいのではと考えました。

鈴木 好きなことを追求するだけでなく、社会的課題を解決したいという思いがあって、それを追求していった上で今の事業があるのですね。

堀江 以前、あるワークショップに参加して経験したことがすごく起業への背中を押してくれました。そこでは3つのことを質問されました。

 1つ目が、「自分が好きで長くやってきたこと」は何か。
 2つ目は、「自分の持っているスキルの中でお金になること」は何か。
 3つ目が、「自分のスキルで社会の役に立つこと」は何か。

 この3つを実際に考えて書いてみると、自分が好きで長くやってきたことは女性のキャリア、子育ての分野だったんですね。そこから今の事業に少しずつつながっていきました。長くやってきたことって、やはり重要だと思います。

ハヤカワ 私の友人に、YouTubeを1日に15時間くらい見ている人がいるんです。本人は「毎日こんなに見続けていて、マズイよ」と言っているんですが、私から見ればものすごい才能だと思います。それだけ見続けられればビジネスにもできるでしょう。自分が続けられること、突っ込んでいけることは大事にしたほうがいいですね。