明確にコミュニケーションするときのポイント

 最初のエクササイズは「自分の『快適ゾーン』から少しだけ勇気を持って一歩踏み出すためのエクササイズです」(ヘレンさん)

 ヘレンさんの「Go!」の合図とともに、参加者の皆さんが一斉に立ち上がり、近くの人同士で6人ずつのグループをつくります。そして、ミッションは「グループ内で各自が20秒以内で、互いに自己紹介などを話すこと。その中に、『自分の面白いところ、変わっているところ』を入れること」。ストップウオッチのスタートと同時に、会場は一斉ににぎやかに。あちこちで笑い声が上がっています。

 3分間が終わると、ヘレンさんからの質問です。

 「今、グループの人たちとの明確なコミュニケーションのために、何をしていましたか?」

 参加者からは「目を見て話しました」「話す人に相づちを打って、終わったら拍手しました」と、次々に発言がありました。皆さん、分かっていらっしゃいますね。初対面同士がほとんどかと思われますが、短い時間の中で緊張がほぐれた様子です。

6人グループになってコミュニケーションのワークに取り組みます
6人グループになってコミュニケーションのワークに取り組みます

自分の態度は「ポジ」にも「ネガ」にも決められる

 続いて2つめのエクササイズです。

 「ちょっと、このペンをお借りしてもいいですか」と、会場からペンを1本借りてきたヘレンさん。ここから「自分の態度を決める」エクササイズです。

 ペンの持ち主がヘレンさんにペンを渡します。最初は「ありがとうございます」と短くお礼を言って受け取ります。「これは中立的な態度です」

 次に、もう一度同じようにペンを渡すと、ヘレンさんは急に「使いませんよ。何か書きなさいということ? こんなペン、いりませんよ」。これが「ネガティブな態度」です。

 そして3度目にペンを渡すと、受け取りながら「ありがとう! かわいいペンですね。どこで買ったんですか? いいですねえ」。これが「ポジティブな態度」です。

 つまり、自分がどういう態度を取るかを決めれば、それによって全く違ったコミュニケーションになるわけです。

 ここから、参加者の人たちは2人ずつペアになって、持ち物を相手に渡し、相手は3通りの態度で受け取る、というエクササイズをスタート。ネガティブな態度で受け取られると、これは練習だと分かっていてもついムッとしてしまいますし、ポジティブな態度で受け取ってくれるとちょっとうれしくなってしまいます。

 エクササイズの後、会場からは「相手がネガティブな態度だと自分もネガティブになる、相手の態度に左右されることが分かりました」「態度は自分で決めることができると分かりました」と意見が相次ぎました。