1日15時間、英語を猛練習「名誉ある賞に恥じぬよう」

 とはいえ、国際的なビジネスコンペティションに参加するのは初めて。不安な中、助けてくれたのは、いつもそばにいるSHEのメンバーでした。

 「私は英語をあまり話せないのですが、メンバーにたまたま流暢に話せる子がいて。彼女たちにサポートをしてもらいながら、英語で書かれた選考要件を読んで、書類選考用の資料を英語で作成して本部に送りました

 2度の書類選考とオンライン面談を経て、日本初のファイナリストに選出。「自分が選ばれたという電話が来た後も、スタッフ一同なかなか現実だと感じることができず、『間違いかもしれないから信じないほうがいいよ』と言い合ったのを覚えています(笑)」

 コンペティションというと、一般的にはファイナリストからさらに厳しい審査を経て優勝者が選ばれるというイメージがあります。しかし、CWIではラテンアメリカ、北アメリカ、ヨーロッパ、サハラ以南のアフリカ、中東および北アフリカ、東アジア、南アジアおよびオセアニアの7地域から3人ずつ選ばれたファイナリスト21人全員が受賞者となり、全員が名誉ある女性起業家と認定されます。なぜなら、これからの時代を担う女性起業家同士が切磋琢磨して、経営者としての素質を伸ばすことが本アワードの趣旨だから。

 そのため、世界中から選ばれたファイナリスト21名全員がサンフランシスコで10日間に渡って行われるアワード・ウイークへ招待されます。8日目に最終審査のスピーチによるセレクションが開催され、プライズの受賞者が決定するというスケジュール。「カタコトの英語しか話せなかったので、名誉あるアワードに恥じないよう、慌てて英語のコーチをつけて勉強を開始しました」

 会社経営の傍ら、毎日1~2時間の英会話レッスンをスタート。最後の2カ月は、1日15時間もの猛特訓をし、アワード・ウイークに臨みました。