るり子店長 ある議題についてイノシシ部長が意見を言ったとする。例えばその意見は「○○を実施すれば、△△、□□というメリットがあるはずだ」というように、○○の「良い点」についてだけ言っていることが多いのよ。そこで、まず良い点をまとめて確認するのよ。
リス子 ええっと……イノシシ部長、いまおっしゃったことを確認したいのですが、○○を実施すれば、それによって△△、それから□□というメリットが得られる。ということですね?
るり子店長 そうそう、それでいいの! 次に「あえて言うならその○○を実施した場合、マイナスの点はどういうものが考えられて、その対応策はどうお考えでしょうか?」と、良くない(マイナスの)点と対応策を質問しておけばいいの!
リス子 え? マイナスの点を? それ、まずくないですか?
るり子店長 ぜーんぜん、まずくないわよ。その前に良い点をまとめて確認しているので 相手の意見を認めていることになるのよ。さらに、相手に自分でマイナスの点をしゃべってもらうから、反対してるわけでもなく否定してるわけでもないの。おまけにマイナス点への対応策も相手に考えさせてるわけよ。
リス子 私が考えなくても、意見を出した人に考えてもらうわけか~。
るり子店長 そう。だから、自分だけでなく相手の思考力も向上するわけ。
リス子 みんな、考える人になるわけなんだ!
るり子店長 そう、そしたら会議は充実するでしょう。少なくとも憂鬱な会議にはならない。みんなが思考力向上したらいいよね。全員のレベルが上がるもの。
リス子 わ~! イノシシ部長も! メモメモ。
・相手の意見の「良い点」をまとめ、合っているか確認する
・相手の意見の「良くない点」は何か質問し、その対応策も聞く
・みんなで考えて思考力アップ
るり子店長 そう、「人が育つ会議」になればいいよね。で、リス子のやることは何だった?
リス子 えっと~、まずイノシシ部長に、次の会議は何のためかという「目的」と、会議が終わってどうなっていればいいのかという「目標」の2つを確認する。
るり子店長 そうそう。そして?
リス子 会議が始まったら、「目的」と「目標」を全員に伝えて、これで合ってるかの確認をする。
るり子店長 覚えてるじゃない! だてにヒマワリを食べてただけじゃないね。それから?
リス子 人の意見を聞いたら、そこで挙げられた良い点を要約して確認する。さらに、良くない点とその対応策を聞き出す。
るり子店長 よくできました! ご褒美に、クルミを1個あげる。
リス子 やった~! この後の会議、楽しみになってきたぁ~。
(次回に続く)
人と組織が成果を出し、成長させることが会議の役割
2.参加者としてできること
会議前:
会議の目的(何のために)、目標(終わった時、どうなっていればいいか)を質問しておく
会議の最初に:
目的・目標の確認で全員の共有(擦り合わせ)
会議中:
人の意見の要約確認(特に、良い点の内容に注目)
その人に「良くない点と対応策」を質問する
→ 「話を聞く」「話をまとめる」「質問する」ができるようになる
→ リスク・危機の意識が持てるようになる
→ 他人依存ではなく自立の意識、参加意識が高まる
文/沖本るり子 イラスト/つぼいひろき