「数字入り」「期限付き」で伝える

るり子店長 「ここまでまとめると、どういうことかな?」

アリス先輩 「最初に『こうしてほしい』という動きを言った後に、『その結果どうなるか』を明確に伝えること」

るり子店長 「そうそう。そして、できるだけ数字で伝えること。さっきの『エアコン27度』のように言わないと、暑い寒いでは分からないでしょ。さらに期限を伝えること。『いつまでに』をしっかり言わないといつまでも後回しにされるから。お手すきのときにとか、手が空いたら、なんて言うとずっと後回しよ」

アリス先輩 「確かに、手が空いたら後でやっといて、って言ってました」

るり子店長 「やはり。『手が空いたら』って言うと、重要度が低く感じるでしょ。さらに、期限が明確にされないと忘れる確率が高くなります。期限があるとメモも取るけど、期限がないとあぁ後でいいやと思い、つい忘れるのね。『明日の午前11時まで』としっかり言わないとなかなか動いてくれないわね」

アリス先輩 「私、全然だめなんですね……ショック」

るり子店長 「全然ダメじゃなく、これまで知らなかっただけだから、これから伝え方を工夫すればいいでしょ」

アリス先輩 「はぁ……」

るり子店長 「アリスちゃんもひまわりの種を食べて元気になろう! はい、これサービス」

アリス先輩 「わぁ! ちょっと大きめですね~」

リス子 「あ~、リス子のより大きい!」

具体的な手順は相手に考えてもらう

アリス先輩 「……私、みんなに協力してもらいたくて、嫌われないようにと思って、ちゃんと伝えられてなかったんですね」

るり子店長 「仕事だからはっきり伝えるべきことは伝えましょうね。そして、そのためにどうするかの手順まではいちいち説明しない! どうするかは、こちらから質問して確認すること」

アリス先輩 「いちいち説明しない……」

るり子店長 「アリスちゃんが勝手に、1から10まで説明して疲れてるだけだから。私たちだって考えてできるわよって思ってるかもしれないからね」

アリス先輩 「へぇ~」

るり子店長 「そう! もう一回、まとめてみてくれる?」

アリス先輩 「最初に、どう動いてほしいかを伝える。次に、その結果どうなるかを伝える。期日も伝える。数字で話す。そして、いちいち説明するのではなく、質問していく

るり子店長 「はい! そして最後にもう1度、動いてほしいことを言って念押しすると、より動いてもらいやすいからね。これ、ご褒美のスペシャルアーモンドをお二人に」

リス子 「やった! 棚ボタ~」

アリス先輩のメモ
1. 「どう動いてほしいか」を伝える
2. 「動いた結果、どうなるのか」を伝える
3. 具体的な数字を示す。期限を伝える
4. 自分で考えて動いてほしい部分は、こちらから質問する
5. 最後にもう1度、動いてほしいことを念押しして伝える
リス子
リス子
アニマル商事・営業部勤務。入社3年目の営業女子。やる気はあるが実は小心者
るり子店長
るり子店長
カフェの店長。副業で経営指導をしているという噂だが、なぜかいつもカフェにいる。
アリス先輩
アリス先輩
アニマル商事・営業部第1チームリーダー。常に前に出る積極タイプだが打たれ弱い

文/沖本るり子 イラスト/つぼいひろき