入社10年目、チームリーダーに就任したばかりのアリス。今の悩みは、チームのメンバーが自ら動いてくれないこと。コミュニケーション力を発揮して伝えているつもりという彼女に、るり子店長がシビアに助言します。

 今日のリス子は珍しく二人連れ。営業部のチームリーダーの先輩と一緒にカフェにやってきました。

リス子 「こんにちは! るり子さん、うちのチームリーダーのアリス先輩を連れてきました」

るり子店長 「いらっしゃい!」

アリス先輩 「こんにちは。最近、リス子の活躍が目覚ましくて、これは絶対何かあると思って問い詰めたら、悩んだらカフェに行くと聞いたのでついてきちゃいました。カプチーノショコラにキャラメルソースとクリーム増量2つ! クルミも4個お願いします」

るり子店長 「はい、ありがとうございます。アリスちゃんも、リス子ちゃんに負けないぐらいお悩みのようね」

アリス先輩 「分かります? ……聞きたいんですけど、うちのチームの子たち、なんか消極的で、自分で考えて動いてくれないんですよ。こちらが1から10まで言わないとダメなんで疲れるんです。それだけ言っても、なかなかその通りにやってくれないし。私もチームリーダーに指名されたばかりなので、みんなに協力してほしいのに。新米だからなめられてるんですかねえ」

るり子店長 「なめられてるねえ。……というのは冗談で、それ、単なるコミュニケーションスキルの問題ね」

リス子 「アリス先輩はコミュニケーション力ありますよ! みんなとうまくやれるからチームリーダーに指名されたんですけど」

アリス先輩 「リス子ちゃん、ひまわりの種おごるから、そこで黙ってて!」

るり子店長 「はい、追加注文ありがとう。あのね、コミュニケーションというのは、日本語で言うと『伝達』。だからコミュニケーションスキルは『伝達技術』だと解釈したら分かるわね、伝え方の工夫が足りてないのよ」

アリス先輩 「伝え方の工夫?」