期待以上の行動につながるプラスの気持ち

アリス先輩 「わ~、びっくり! 褒めるのは苦手だけど、質問ならできます」

るり子店長 「そう、質問はできるわよね。お世辞でも嘘でもなく。この質問は相手に教えてくださいということだから、相手が優越感を感じるでしょ」

アリス先輩 「優越感?」

るり子店長 「教えを請うという行為は、相手を持ち上げているから、相手は何気なくでもうれしいもの。すると、質問に対する答えをやたらとしゃべりたいものなの」

アリス先輩 「はぁ……。結構すごい技ですね、これ」

るり子店長 「でしょ。ときどき、こういう『褒められた』と思われる質問をして、相手の気持ちをプラスにしておきましょう。『こういう資料、どうやったら早く作れるのか教えてくれる?』なんて、どうかな」

アリス先輩 「確かに~」

るり子店長 「褒めてはいないけど、質問しただけで褒められたと思ってくれるといいでしょ。こうやってプラスの気持ちにいつもなっている状況をつくる。そして、動いてほしいことを明確に伝える。さらに『何のためにするのか』という最終目標を伝えるだけでも、期待以上に動いてくれる可能性が大でしょ」

アリス先輩 「そうですね~。すごい」

るり子店長 「では、アリスちゃん、まとめてみよう」

アリス先輩 「チームのメンバーに、さらに期待以上に動いてもらうために、気持ちをプラスにさせる。その方法として、褒められたと思われる質問をする

るり子店長 「おぉ~、アリスちゃん! どうやったら、そんなにすぐまとめられるんですか?」

アリス先輩 「えへへ……。そして、動いてほしいことを伝える。『何のために?』『動いた後どうなってる?』も明確に伝える

るり子店長 「はい! よくできました~。今日は奮発して、ヘーゼルナッツもサービスしちゃうね」

アリス先輩のメモ
チームのメンバーに、さらに期待以上に動いてもらうために…
1. 相手の気持ちをプラスにさせる
2. 褒められたと思われる質問をする
3. 動いてほしいことを伝える
4. 何のためかを伝える
5. 動いた後、どうなっているか伝える
リス子
リス子
アニマル商事・営業部勤務。入社3年目の営業女子。やる気はあるが実は小心者
るり子店長
るり子店長
カフェの店長。副業で経営指導をしているという噂だが、なぜかいつもカフェにいる。
アリス先輩
アリス先輩
アニマル商事・営業部第1チームリーダー。常に前に出る積極タイプだが打たれ弱い

文/沖本るり子 イラスト/つぼいひろき