自分が本当にしたいことや、大切な目的を見失っていませんか。日々を流されず、着実に大きな目的に近づくための確実な道が毎朝のルーティンです。よいルーティンを確立する方法を、自身のことを「自己成長中毒」と形容するコミュニケーションコーチ・岩田ヘレンさんが教えます。

 私が19歳のときに読んだ本の中に、とても印象に残っている言葉があります。

 「人生の目的とは何ですか」という質問に対して、その本の著者は「to learn and have fun」(いろいろなことを学び、楽しむこと)だと答えていました。

 私自身、いろいろなことを学んで知ることが楽しく、大好きです。これは自分にも当てはまると思い、その言葉はずっと記憶に残っていました。

 その後、イギリスの大学を卒業してすぐ、日本で社会人になりました。仕事をするうちに、だんだん周囲からの期待やプレッシャーを感じるようになりました。クライアントや同僚や家族など他人のことを優先し、そのために自分を犠牲にして我慢をすることが美徳だと考え、一生懸命頑張ってハードに働くことで周囲からは評価されました。

 当時の私は、自分がどれほどプレッシャーを感じているかをあまり外へ見せないようにしていました。とても体調が悪かったのに、同僚に迷惑をかけてはいけないと、ひどいせきをしながら仕事をしていて呼吸困難に陥り、救急車で搬送されてしまったこともあります。

 当時の私にとっては「周囲からどう評価されるか、他人が私をどう思っているか」がとても重要で、自分にとって大事な目的を見失っていたのです。

 今、皆さんはどうでしょうか。自分の人生の目的は何だと思いますか? その目的に向かって進んでいます、と言えるでしょうか? それとも「今は周囲の人たちからどう評価されるかのほうが大事」と思っていますか。

 先ほどの本に出てきた「学び、楽しむこと」に加えてもう一つ、私にとって大事な人生の目的があると思っています。それは、周囲の人が幸せになるような貢献をするということです。しかし、実は自分が学んで楽しんでいるほど、周囲に対しても大きな貢献ができることに気付きました。

 では、プレッシャーが多く忙しい毎日の中で、どうすれば大事な目的を見失わずに着実に進んでいけるでしょうか。

 そのためのベストな方法が「朝のルーティン」です。