入社した20代の頃から無気力だった人はあまりいません。彼らにも、モチベーションが下がらざるを得ない理由があったのです。
「働き続けていれば『誰でもいつかは管理職になれる』。そう信じられた時代もありました。でも今は、ミドル世代の人数に対して企業の管理職ポストが不足しています。また、名ばかりの管理職ポストで裁量権がない上に、残業代などがカットされ実質給与が下がってしまうケースもあります。よほど能力の高い一部の人を除けば、出世も給与も先が見えてくる。先が見えているからこそ『定年までいかに楽に過ごすか』が最優先事項になってしまっているのです」(大野さん)
一方、パソコンやIT関係のスキルは、日々最前線で業務に取り組んでいる若手に比べると、どうしても劣ってしまうのが実情。周囲から「自分でやったほうが早い」などと距離を置かれてしまい、孤立していることも多いのです。
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「ちょっと、相談に乗っていただきたいのですが……」
「ヘルプを求めている」と見せかけて相手のプライドを傷つけないようにしながら、「何か手伝ってもらえることはありそうか」「シェアしてもらえる知見や経験はないか」ということをリサーチできる一言です。まずは、自分自身やチーム全体が抱えている作業を棚卸し。距離を置くのではなく、細分化した仕事を積極的にお任せしていくことで、仲間に巻き込めることもあります。働いていないようだからといって、働きたくないわけではないんです。
ただし、いかなる理由があっても、就業中にネットサーフィンなど業務外のことに取り組んでいる状況が好ましくないのは事実です。頻度などが目に余る場合は、総務部や管理部に連絡して会社として対応してもらうことも大切です。
漫画/とげとげ。 文/加藤藍子(日経doors編集部)
日本メンタルアップ支援機構 代表理事