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元記者・竹本恵のMBAinバルセロナ

人生の不確実性の低下に耐えられない私が留学を決めた日

転職を考えてMBA留学するなら、少しでも早いほうがいい

元新聞記者で、現在スペイン・バルセロナでMBA留学中の竹本恵さんから、月1回、20~30代働く女性向けのメッセージを送ってもらいます。第2回は、竹本さんが通っているMBAのことを教えてもらいます。

ESADEでの生活は1年半、全部で約2000万円

 前回記事・東大で野球三昧、バイクで3年海外放浪 元記者 では、自己紹介を兼ねて仕事を辞めるまでのお話をしました。今回はMBAに絞って、お話ししたいと思います。

 「MBA」は、経営学修士の学位で、世界中の数多くのビジネススクールがプログラムを提供しています。一般的には米国では2年、欧州では1年の課程の学校が多いと言えます。

 基本的には数年の実務経験がある社会人を対象にしており、より待遇のいい会社、やりがいのある仕事へキャリアアップの一つのきっかけとして参加している学生が多いと思います。日本人は勤務先から派遣されて社費で留学する人が一定数いますが、海外の人は退職して私費で行く人が大多数だと思います。ちなみに学費は数百万~1000万円以上と驚くほど高いです。私が通うESADE(エサーデ)の場合は期間が12、15、18カ月から選べ、学費は期間にかかわらず900万円です。私は18カ月の予定で、生活費を含めると必要経費は合計で2000万円程度と見込んでいます。

 ESADEの構内。日本のいわゆる総合大学に比べると、このキャンパスは決して広くはありません。学部生、大学院生、MBA生向けの施設の他、ベンチャー企業が多く入居している建物があります。また、起業家を支援する施設がたくさんあるのも特徴の一つです。

 私の場合、必要資金は基本的に貯金で賄っています。物欲がさほどないのと、忙しくて使う暇がなかったのが幸いしました。また、学費のうちの130万円についてはフォルテファンデーションという女性支援団体から奨学金をもらっています。たいていのビジネススクールは自前で奨学金を用意しており、ESADEも最大学費の半額を補助する制度があります。私は出願時期が遅過ぎて申し込めませんでしたが。

日本でMBAに対する評価が低い、そのワケは?

 MBAにはいろいろな側面がありますが、共通しているのは次世代のビジネスリーダーを育てるということでしょう。その一つの形が、例えば転職支援であり、別の形が起業家支援になります。学校によってもさまざまな特徴があるので一概には言えませんが、私が所属しているESADEは起業家支援という点で高く評価されている学校です。スペインにある学校ですが授業は英語で行われます。ビジネスの共通言語と言えばやはり英語ということになるのでしょう。

 ESADEのMBAは一学年180人ほどの学生がいて、A、B、Cの3つのセクション(クラス)に分けられています。なかなか集合写真を撮る機会は多くないのですが、この写真はその数少ない写真の一つです。1学期のテストがすべて終わった時に、クリスマスのイベントをした時のものです。

 実際に留学してみて思うのですが、MBAに対する考え方は日本と海外で大きく異なります。日本ではMBAに対する評価が低く、その背景にはやはり、新卒一括採用や終身雇用といった日本独特の雇用制度があると言えます。以前と比べ状況は変わりつつあるものの、日本企業ではまだまだ新卒一括採用が一般的で、採用後に人材を育て退職するまで面倒を見る、というのが典型的な形態です。

 一方、海外企業は役職に空きができたときに適切な人材を補給する、という採用形態が一般的といわれています。同期の学生を見回してみても、既に数回、転職を経験し、次のキャリアアップに向けた比較的、確実な手段としてMBAを活用している例が多く見られます。一つの企業でのみ働いてきた人はむしろ少数派でしょう。

 このような違いをもとに、MBAそのものがあまり日本の企業文化になじみにくい性質を持っていると私は考えています。それが結果として、例えば日本人学生の年齢にも表れていると思います。日本人学生の平均年齢は全体の平均年齢より高い傾向があります。社費派遣では、入社数年でMBA留学させてくれる会社はあまり多くないでしょう。また、私費では卒業後の進路にリスクを負うため、一歩を踏み出しづらい上、留学資金を確保するまでにも時間がかかります。でも、もし他の条件が同じであれば日本であれ海外であれ、年齢が若い人を採用するでしょう。もし転職を考えてビジネススクールに行くのであれば、早いほうがいいと言えると思います。

 さて、ここで私がなぜビジネススクールに行こうと思ったかについてお話しします。

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