授業後は子どものお迎え、シッターの出番も

 子どもを送って大学に着くのがだいたい9時すぎ。そこから10時の授業開始まではおおむね、予習やメールチェックの時間に充てています。ESADE(エサーデ:ESADE Business School)は出席の管理がとても厳しく、授業開始後2分以内までに教室前の指紋認証機でピッとやらなければいけないので、学生は少し早めに来ていることが多いです。と言っても間際に慌てて走ってやってくる学生の姿もいつもの日常の一風景です。また、学内にジムが併設されているので、授業前にひと汗流してからやってくる学生も多いです。

 教室前の指紋認証機です。ハイテクだと思う方もいると思いますが、そこはスペインです。私の指紋はなぜか認証してくれず登録ができなかったため、私は毎日、学生証をピッとかざすことになっています。同様の人がほかにも何人かいます。

 昼食は学内のカフェテリアで、1つ250円前後のサンドイッチを買って次の授業の資料に目を通しながら食べることが多いです。バゲットに生ハムやサラミ、ハム、チーズなどを挟んだ「ボカディーヨ」というサンドイッチで、こちらの軽食としてはとても一般的な食べ物だと思います。値段は中の具によって異なります。また、時間と心に余裕があるときは学内に2つあるレストランのどちらかで定食を食べます。パスタやスープ、肉、魚料理などから2皿を選び、飲み物とデザート、パン、食後のコーヒーが付いて約1000円です。ちなみに飲み物はソフトドリンクのほか、ビールやワインも選べます。さすがスペインです。ただ、値段と質を考えると、少し高いかなと思います。私のスペイン語クラスの先生のフランチェスコは、以前の業者はおいしかったが今の業者に代わってからはいまいちだとこぼしていました。

 午後に授業が入っている日は午後6時に授業が終わってすぐ、子どもを迎えに行きます。午後の授業がない時は予習をしたり、チームでミーティングをしたり、もしくは友達とのんびりおしゃべりしてまったり過ごしたりしてから学校を出ます。子どもの学校は基本的に午前9時から午後5時までで、いわゆる預かり保育のようなものが、朝は7時半から、夜は7時まであります。

 火曜と木曜は午後の授業の後にスペイン語の授業が8時半まで入っているので、さすがに自分一人では対応できません。ベビーシッターのマルタに、子どもを迎えに行き、用意しておいたごはんを食べさせ、お風呂に入れるところまでの面倒を見てもらっています。彼女は20歳そこそこですが、子どもの扱いがとても上手。子どもがスペイン語での意思疎通が全くできないときからも、よくなついてくれました。いつも本当に大助かりです。

 ちなみにマルタとの出会いはベビーシッターのマッチングサイト。時給8ユーロでお願いしています。MBAの2年目は夜の時間帯までかかる授業がなくなるのですが、引き続きお願いしたいと考えています。

夜は子どもと一緒に寝落ちしちゃう!

 さて、午後8時半から9時過ぎくらいに子どもを寝かせた後は、また授業の予習などを始めます。と、言いたいところですが、疲れて子どもと一緒に寝てしまうことのほうが圧倒的に多いです。もし余裕があれば、翌日のごはんの支度や洗濯なども済ませてしまいたいところなのですが、理想と現実はなかなか近づいてはくれません。こんな感じで私の一日が終わります。

 目が回るほどの忙しさ、というものでは全くありません。ただ、常に課題の締め切りなどがあるので「今週さえ終われば、来週にはもう少し楽になる」と思いながら、やることはいつでも山積したままです。当たり前ですが時間は限られており、私は家族を優先すると決めている分、とても残念ですが他の学生と交流する時間を犠牲にしていると思っています。

 例えば、夜のイベントにはなかなか参加できません。子ども連れを歓迎してくれる夕食会だとしても、こちらの夕食は午後8時や9時の開始なので、子どものことを考えるとおいそれとは連れていけません。また、ESADEには学生が主体的に運営するクラブが十数個あり、私もそのうちのいくつかに在籍していますが、クラブのイベントは夜開かれることが多いので、ほぼ幽霊部員の状態です。