元新聞記者で、現在スペイン・バルセロナにMBA留学中の竹本恵さん。これまでESADEに留学した理由や、授業の内容を聞いてきましたが、今回はシングルで2歳と5歳の子どもを抱えた海外MBA生活を詳しく教えてもらいます。あとがきでは、ESADEでも活躍している台湾人留学生・エミリーを紹介します。竹本さんは、「子どもを産んでから仕事を辞めて海外に留学し、起業を目指す」という新しい選択肢を具体的に提示してくれている希少な新型ロールモデル。ぜひご参考に!

子どもはキックボード、自分はベビーカーを押して通学

 こんにちは、竹本恵です。前回は主に入学後の生活についてお話ししました。今回は私の日々の生活などについてお話ししたいと思います。

 私の一日はまず、午前6時半に起きることから始まります。これは日本と同じですが、明るさが違います。例えば4月はまだ暗く、6月は日の出後です。そして最も日が長い6月の日没はなんと午後9時。スペインが、特に夏の時期に日が長いのは事実なのですが、あと1時間、時刻設定を早めてくれれば、そこまで違和感なく過ごせるのにといつも思います。

 さて、朝の話に戻りますが、起きたら自分と子どもの支度を済ませ、8時半前くらいに家を出て子どもを学校に送りに行きます。私一人だと所要時間は徒歩7分。5歳の息子と2歳の娘の二人を連れると、10分から30分以上までと状況によってかかる時間はさまざまです。

 今は子ども二人がキックボードで、私は荷物を載せたベビーカーを押すか、子どもと一緒に大人用のキックボードで出かけます。バルセロナではキックボードに乗っている人が非常に多く、例えば大人用の電動キックボードに子どもと二人乗りという人もよく見かけます。日本で一般的な子ども乗せ自転車を利用している人はあまり見かけません。

 我が家の目の前の道路を通って通学中です。雨が降るといつにも増して不都合が多くなります。道路の真ん中に広い歩道があり、その奥の芝生の先は自転車道、さらに芝生があって車道、その隣が路上駐車スペース、さらにその奥の一番端がまた歩道になっています。

 通学路は、歩いているとあまり意識しないくらいの緩い坂道です。歩道がとても広く交通量も少ないので、子どもがキックボードを多少好きに乗り回しても安全です。

 ただ、私自身もキックボードで出かけた場合に問題が起こることがあります。行きは上り坂なため、娘に急に「抱っこ」と言われると、荷物とキックボード2台と娘を前に途方に暮れることになります。一方、ベビーカーで出かけた場合、行きはいいのですが、下り坂になる帰り道に、子どもたちに追いつくのに必死で走る羽目になります。日々のことなので私にとっては大問題なのですが、まだ画期的な解決策は見いだせていません。