「理想の働き方」からの通訳

マリエ:関谷さんは30代になって、今の通訳会社を起業されたんですよね? 前職の商社から、どうして通訳に興味を持ったんでしょうか?

関谷:商社にいた頃から、通訳っぽいことはしていたんですよね。商社の繊維部門でブランドマーケティングをしていたんですけど、要は海外のブランドと日本の法人をつなげる仕事で。当時は通訳を発注する立場でもあったので、通訳がどんな仕事なのか分かっていたんです。

マリエ:もともと、独立志向はあったんですか?

関谷:2社経験して、私は自分で決めたい人なんだなってことがだんだん分かってきて。自分で意思決定ができないと、ちょっとストレスになっちゃう。それにその頃、友人が英語教育事業を立ち上げるのを手伝っていたので、会社経営が自然と選択肢の一つに入っていたんです。

マリエ:そうすると、通訳になりたかったというよりも、理想の働き方から逆張りしていった感じなのでしょうか?

関谷:そうですね。在庫を持つビジネスが大変だって商社時代に学んでいたので、在庫を持たない事業で私ができることってなんだろうと考えていた時に、頭に浮かんだのが通訳でした。起業する前、外国人のセミナーを同時通訳したことがあって。その時、参加者の方から「外国人の講師が日本語をしゃべってるみたいに自然な通訳だった」と言われたんです。これならできるかもしれない、と。