『はたらく』を自分のものにするには

──将来に不安を抱える女性たちが自分らしいキャリアオーナーシップを持つためには、どう行動したらいいのでしょうか?

田中 心理的幸福感が高い生き方を作って行けたらいいと思います。昔はそれがなかなか難しかったですが、テレワークの日々の中で新しいロールモデルを作り上げていけるようになったのです。さらにもう1つ、キャリアは選択だという神話が強く、右肩上がりに成長していくと思われています。でも、日常には様々なことが起きて、育児や介護、個人レベルでも病気になってしまうことも。だから、状況選択型ではなく状況蓄積型のキャリアを描く必要があると思っています。

篠田 自分のモデルを作ればいいのは、まさしくそのとおり。でも、何も材料がなくてゼロからつくるのは難しいのかな?と感じます。社会制度面が充実してきた中で、最大のバリアとなるのが自分の無意識なマインドです。その意味では、ロールモデルの重要性は上がっているとも言えます。だから、日経doorsのようなメディアの意義はとても重要。いろいろなパターンがあることを知り、「固定観念で自分を縛っていた」と気付けるだけでも大きいと思います。

田中 悩んだら、やりたくないこと、心がざわつく状況を書き出してみたらどうでしょう。ストレスを可視化することで、自分の状態を客観的に見られるようになります。モヤモヤの正体が分かったら、ネガティブな膿みたいなものを昇華させていけばいい。経験を経済的リターンに変えていくような副業に取り組むこともエネルギーがあるうちにやっておいたほうがいいと思います。変幻自在なキャリアを構築できれば、きっと人生は豊かになります。

人々が『はたらく』を自分のものにする力を持つには
悩める働く女性たちへエールを送る今回の企画は、人材サービス企業のパーソルキャリアの協力により実現しました。「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションを制定したパーソルキャリアでは、はたらく一人ひとりが、自分の意思と行動で、その人ならではの「はたらく人生」のオーナーシップを持てる社会の実現を目指しています。そこで篠田真貴子さんと田中研之輔さんに、「人々が『はたらく』を自分のものにするための提言をいただきました。自分らしい“私”と“はたらく”のあたらしい関係の参考にしてみては?
■パーソルキャリアのミッション「人々に『はたらく』を自分のものにする力」の詳細はこちら

取材・文/中澤小百合 写真/佐々木実佳