将来は売却したり賃貸に出してもいい
第2部では『doors世代のためのマンション購入入門』と題してトークセッションが行われました。参加者はマンションデベロッパーのタカラレーベン取締役執行役員・高荒美香さん、フィナンシャル・ウィズダム代表・山崎俊輔さん、そしてTOE THE LINE(きんゆう女子。)代表取締役で日経doorsアンバサダーの鈴木万梨子さんです。
鈴木万梨子さん(以下、敬称略) 私が主宰する「きんゆう女子。」というコミュニティのメンバーからいろいろ質問を預かってきたので、それを交えながらお話を聞かせてください。まずは、マンションを買うタイミングですが、早ければ早いほどいいのでしょうか。
高荒美香さん(以下、敬称略) 健康でないと買えなかったり入社すぐだとローンが組めなかったりするから、買える条件が揃って、ほしいと思ったタイミングがベストですね。恋愛と一緒です(笑)。ローンを早く組めば早く返し終わるから、買えるのであれば早いほうがいいでしょう。私は30代で買いましたが、もし20代で買えたら買っておけばよかったと思います。
鈴木 なるほど。でも、シングルのうちにコンパクトなマンションを買うと、結婚や出産後に住めなくなるかもしれません。ライフスタイルを踏まえて住宅購入と向き合う必要がありますね。
高荒 女性は30平米台の部屋を買う人が多いですが、ニューヨークだと小さい家がかっこいいという風潮もあるし、実際に住んでみるとそれほど手狭ではなかったりします。それに、いい物件を選んでいれば、売却したり、ローンと同じくらいの金額で貸すこともできますから、あまり難しくとらえなくても大丈夫です。
山崎俊輔さん(以下、敬称略) モデルルームを見学すると「ちょっと広めだから、結婚後も住めるな」とイメージがわくし、選択肢も増えます。今賃貸の人も「この間取りが好き」「この広さは必要」「本が多いから大きい収納がほしい」など、毎日の経験からイメージを膨らませておくといいですね。そしていろいろな物件を見学して視野を広げ、一目惚れしたときにお金の不安なく買えるようにしっかり準備をしておけば安心です。
勉強もかねてモデルルームに足を運んでみよう
鈴木 「きんゆう女子。」のメンバーからは「貯金はないが家がほしい。ローンは組めますか?」「年収400万円で、頭金として300万円の貯金がある。いくらの物件が買える?」など、購入価格やローンに関する質問が来ていますが、いかがでしょう?
高荒 お金を貯めてから買うのが理想ですが、頭金がなくても組める住宅ローンはあるから、実際に頭金ゼロでも買っている人はいます。頭金が300万円あれば3300万円程度の物件が買えますね。ただし諸費用は管理費や修繕積立金などのランニングコストもかかることも頭に入れておいてください。
山崎 昔は金利が3~4%だったから、総返済額は借入額の1.5倍くらいでした。3000万円借りたら4500万円を返すわけです。でも超低金利の今は、全期間1.5%の固定金利で借りれば、総返済額は3800万円くらいで済みます。頭金がなくても納得いく条件なら買えるので、チャンスなのは確かです。
鈴木 勤めている会社の規模などによっても買える物件、ローンの内容は変わりますか?
高荒 会社の規模はあまり関係ないですよ。勤続年数をチェックされることはありますが、1年目でも買えることもあります。モデルルームで自分の状況を伝えて、相談してみるといいですね。
鈴木 私もモデルルームに行ったことがありますが、専門用語を知ることもできるし、自分の年収などを記入すると「もう少し年収を増やそう」などと自分の状況や目標が明確になりますね。
さて、「具体的な買い方を知りたい」という質問も来ています。モデルルームに行くまでの情報収集や頼れる不動産屋さんの探し方、手数料を抑えられる買い方などを教えてください。
高荒 ネットで分譲マンションを探して、ほしいマンションの会社のモデルルームに行くのが基本です。中古の場合は仲介会社に行ってもいいでしょう。新築マンションは手数料がかからないから、どこで買っても大丈夫ですよ。弊社は新築が主流なので、モデルルームに来てもらえれば資金計算もできますから、気軽に足を運んでみてください。