30代で自分に飽きないよう、20代からセルフプロモーションスキルを磨く

 一力さんのもとを訪れる30代の女性たちからは「特に悩んでいるわけではないが、現状を打開したい」という相談が寄せられることが多いといいます。

「30代になると、『自分に飽きる』女性が多いと感じます。この年代になると自分にとって心地よいスタイルが確立され、マンネリ化してしまう。自分に対するサプライズがなくなってしまうんです。しかも『定番』が出来上がってしまうと、年齢やポジションの変化に応じた見た目へと、上手にシフトできなくなる方も多く見受けられます。何歳になっても、そのときに自分がありたい姿に合わせて適切なセルフプロモーションができるように、意識・スキル・習慣を、20代のうちから身につけておくといいと思います」

『ママに見えない』ではなく、『ママであり美しく凛々しく輝く女性』を目指す

「ビジネスの場で、『ママに見えない』が褒め言葉として使われていますが、私には違和感しかありません。そもそもビジネスやオフィシャルな場面で見せるべきは、プロフェッショナルとしての自分。仕事場で、ビジュアルから『ママ』をイメージさせるようでは、それはプロではない、と私は思います。一方、プライベートな場では、『ママに見えない』よりも『ママであり美しく凛々しく輝く女性』と評価される方が正しい気がします。パートナーができる、子どもができるといったライフステージの変化は当然女性の見た目を変えます。許容力や忍耐力、優しさや思いやりなどが養われるわけですから、見た目にも優しさに包まれ穏やかになったり、落ち着いたりといった変化が生まれます。それも含めて評価されるのは、喜ばしいことだと思います。

 ただし、ビジネスの場で『奥さん』『ママ』のイメージをそのまま見せるのは望ましくありません。ライフステージの変化に応じて、プロフェッショナルとしての自分の見た目を、きちんとシフトすることが大切です。忙しくても、自分の見た目を整えるための時間をつくっていただきたいと思います。メイクやファッションに気を遣うことは、心理学的にも癒しの効果が得られ、自己満足度の向上にもつながりますから」