酪酸を産生する酪酸菌を増やし腸にエネルギー補給を

 有用菌が作り出す酸の働きによって大腸を活性化するアプローチが、これからの腸活のポイント。その鍵となるのが酪酸だ。

 では、酪酸を活用するにはどうすればよいのだろうか。

 「一つは酪酸を産生する酪酸菌のエサとなる食物繊維を十分に摂ること。最近の20代女性の食生活を分析してみると必要な栄養が足りていない。特に、食物繊維は圧倒的に不足状態。野菜やきのこだけでなく、大麦など食物繊維が豊富な穀類も積極的に摂りましょう」(西沢さん)

 もう一つは、酪酸菌そのものを摂ること。生きた酪酸菌が腸に届けば、食物繊維などをエサとして大腸のエネルギー源となる酪酸が産生される。「食品で酪酸菌が含まれているのは臭豆腐(豆腐を発酵させて作る中国の伝統食材)といった臭みの強い発酵食くらい。酪酸菌を摂取するなら、整腸剤やサプリメントも登場しているので賢く利用するのも一つの手」(西沢さん)

 腸が元気になれば、腸内環境がよくなり、おなかがスッキリ。パフォーマンスの向上を目指すなら、腸のコンディションを整えることから始めてみては?

腸を鍛える腸活=酪酸&酪酸菌に注目
<b>大腸の主要なエネルギー源になる酪酸</b><br>大腸の上皮細胞はエネルギーの約60〜80%を酪酸から得ている。酪酸によってエネルギー代謝が活性化された大腸は多くの酸素を消費するため、腸内は低酸素状態になり、ビフィズス菌など酸素嫌いの有用菌がすみやすい環境となる。酪酸は腸の健康を保つために欠かせない成分なのだ
大腸の主要なエネルギー源になる酪酸
大腸の上皮細胞はエネルギーの約60〜80%を酪酸から得ている。酪酸によってエネルギー代謝が活性化された大腸は多くの酸素を消費するため、腸内は低酸素状態になり、ビフィズス菌など酸素嫌いの有用菌がすみやすい環境となる。酪酸は腸の健康を保つために欠かせない成分なのだ
<b>酪酸を産み出す酪酸菌とは?</b><br>腸内にすむ有用菌のうち、食物繊維をエサに酪酸を産生するものの総称が「酪酸菌」。長寿者が多い地域の高齢者の腸には酪酸菌が多く、一方、おなかに不調がある人には酪酸菌が少ないと指摘する研究者もいる
酪酸を産み出す酪酸菌とは?
腸内にすむ有用菌のうち、食物繊維をエサに酪酸を産生するものの総称が「酪酸菌」。長寿者が多い地域の高齢者の腸には酪酸菌が多く、一方、おなかに不調がある人には酪酸菌が少ないと指摘する研究者もいる

持ち歩く“腸活”始めよう!

 おなかの不調に悩んだ時は整腸剤を活用することもおすすめ。忙しい時こそ、食物繊維と有用菌の摂取で、効率的な腸活を。「自分のコンディションは自分でコントロールする」と決めて行動に移すことが、できる女性への第一歩かも。

<b>ビオスリーH[指定医薬部外品]</b><br>酪酸菌とともに乳酸菌、糖化菌の3種の共生する活性菌を配合。3種の菌が小腸から大腸まで生きたまま届き、有用菌を増やすことで腸内フローラを改善し腸を整える。効能:整腸(便通を整える)、便秘、軟便、腹部膨満感 用法・用量:成人(15歳以上)1回1包、1日3回 3ヵ月以上15歳未満 1回1/2包、1日3回 36包入り 1380円(税抜き・メーカー希望小売価格)/武田コンシューマーヘルスケア
ビオスリーH[指定医薬部外品]
酪酸菌とともに乳酸菌、糖化菌の3種の共生する活性菌を配合。3種の菌が小腸から大腸まで生きたまま届き、有用菌を増やすことで腸内フローラを改善し腸を整える。効能:整腸(便通を整える)、便秘、軟便、腹部膨満感 用法・用量:成人(15歳以上)1回1包、1日3回 3ヵ月以上15歳未満 1回1/2包、1日3回 36包入り 1380円(税抜き・メーカー希望小売価格)/武田コンシューマーヘルスケア

取材・文/市原淳子 写真/木村和敬

西沢邦浩
日経BP総研 客員研究員
西沢邦浩 1991年日経BP社入社。98年「日経ヘルス」立ち上げに携わり、2005年から同誌編集長。08年3月「日経ヘルス プルミエ」創刊時から10年まで編集長を務める。健康食品や医薬品のトレンドに精通する