「スマホはマナー違反」は少数派だが推奨派の4倍弱

 スマホを使いやすい職種や職場環境場合もあるだろうが、そもそもみんなは「スマホによる時間確認」にどんな印象を持っているのかも気になるところ。

 ビジネスの場でスマホでの時間確認をどう思うかという問いに、「腕時計の方がスマートだと思うが、スマホは便利なので使い分けたい」という声が多い一方、「なんとなく後ろめたい」「オフィシャルな場ではしないように心がける」「ルーズな印象を与える」といったネガティブな印象を持つ人も。

 ここから浮かび上がるのは、「ビジネスシーンにふさわしいのはスマホの利便性よりも、腕時計のオフィシャル感」というdoors世代の時計観だ。「スマホをどんどん推奨派」が驚くほど少ないのも、上記を裏付けているといえそう。

 多彩な年齢やバックボーンを持つ人々と関わるビジネスシーンでは、まず「信頼感の確保」を優先する。それは、これまでの時代と変わらないマインドのようだ。

セルフイメージを託し、格上げする器

 みんなは、どんな理由でオンタイムに腕時計を身につけているのだろうか。

 まず、9割近くが「時間確認のため」だが、そのほかに「スマホでの時間確認は失礼に思える」(34.1%)、「オンタイムのスイッチが入る」(33.1%)、「オフィシャルなセルフイメージ(信頼感や知的さ)を演出したい」(31.9%)、「ないと落ち着かない」(31.9%)、「靴、スーツと同じように、オフィシャルな場では腕時計を身につけることがマナーだと思う」(21.7%)といった項目に数字が集まった。

 ビジネスマナーというだけでなく、より踏み込んだ自己演出や、オンタイムのスイッチ機能として腕時計を身につけている様子がうかがえる。

 反対に、オンタイムで身につけていない人の理由は、「スマホで時間確認ができるので必要性を感じない」(30.6%)という回答はさほど伸びず、数字が集まったのは「作業の邪魔」(41.7%)「重さが気になる」(36.1%)「肌が荒れる」(19.4%)といった物理的な回答だ。腕時計を身につけないのは、必ずしも「スマホで代用できるから」というわけではなさそう。

 では、「スマホより腕時計での時間確認の方がスマート」と考えるdoors世代は、「腕時計を身につけることでどのようなイメージを演出したいか」、その効果を「最も発揮したい対象はだれか」という点に着目してみたい。

 腕時計で演出したいイメージは、「知的、有能そう、仕事ができそう」(48.6%)、「信頼できそう」(43.5%)という回答が多かった。腕時計に対して、「知的」「有能」「信頼感」といった、自分が目指すイメージへの引き上げを期待しているといえそう。

 効果を発揮したい対象としては、取引先・顧客という外部の対象に、同僚・上司という身近な対象が続くという結果に。仕事先と社内の双方、つまりビジネスのほとんどの場面で信頼感を印象づけたいという、欲張りな気持ちがうかがえる。