サービスの種類は「支払いタイミング」で把握を

　 　最近、キャッシュレス決済の選択肢が爆発的に増えました。若い方でも、どこがどう違うのか、一体どれが自分に合うのか、混乱している人が多いようです。実に便利なキャッシュレスサービスですが、きちんと理解しないままに次々と新しいものに手を出していると、正しい家計管理がしづらくなってしまいます。

　最も分かりやすく、誰にとっても最も大切なチェックポイントは、ずばり「お金を払うタイミング」です。ショッピングやサービス利用でキャッシュレス決済した場合、実際に自分の口座からお金が出て行く支払いのタイミングに、「後払い」「即払い」「前払い」の3種類があります。それぞれの特徴は次の通り。

■「後払い」：代表格がクレジットカード。購入後、一定期間後にカード会社からの請求に基づき支払いをします。
■「即払い」：代表はデビットカード。購入後すぐ口座から引き落とされます。「J-デビット」カードは日本独自のもの。最近はVisaなどの国際ブランド付きデビットカードが増え、国内外ともに同ブランドが使える店舗ではほぼ使えます。
■「前払い」：電子マネー、交通系カードなどのプリペイドカードがメイン。実は、プリペイドカードにも国際ブランド付きが増えています。

ビギナーなら「即払い」のデビットカードを

　社会人数年め、これから貯蓄もがんばる心づもりでキャッシュレス生活を始めるなら、まずはデビットカードかプリペイドカードをおススメします。いずれも家計簿代わりになる支払履歴が自動で残るという最大メリットはむろん享受できます。そのうえ、デビットカードは「買い物をした瞬間に口座から残高が減る」、プリペイドカードは「先に入金した範囲内でお金を使う」といった、現金と似た感覚が誰にでも馴染みやすく、残高管理もしやすいからです。

使いこなせるキャッシュレス方法だけに絞り込む

　キャッシュレス決済には、カード利用やスマホ（スマートフォン）利用があり、カード決済にも店のレジなどでカードリーダーに通したり、非接触決済と呼ばれる専用ツールにかざすだけで決済終了となるものがあります。スマホにも、かざすだけのサービスと、アプリを立ち上げて画面に出た二次元コードやバーコードをレジの専用機械に読み取らせるなどいくつかの方法があります。

　キャンペーンで驚くほど高い還元率でポイントが付与される決済アプリなどが登場し、ついどんどん試したくなります。しかし、多種多様な決済方法を利用しすぎると、各サービスに少しずつ残高が残ったままになるようなムダが生じたり、正確な家計管理が難しくなりがちです。

　日常生活でも旅先などにおいても、決済できるシーンが多い手段、2～3種類に絞り込み、その決済の履歴データを見れば、いつでも支出の内容の振り返りができる仕組みを整えましょう。

　東京2020や2025年の大阪万博に向けて、訪日外国人の方々へのおもてなしとしても、私たち自身のマネー管理の助っ人とするためにも、キャッシュレスをより詳しく理解していきたいものです。次回はこのようなキャッシュレスのメリットを生かせる、簡単確実な「貯まる家計管理」の方法を紹介する予定です。

（監修・文／風呂内亜矢　イラスト／小迎裕美子　構成／太田留奈）

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