年収が50万円高い人は
40年で2000万円多く貯まる

 入社数年目だと、同期の仲間との年収差はさほどないケースが多いでしょう。5年後10年後には、先輩たちの年収ほどに上がるのかもしれません。もしかするとそれ以上の収入を受け取れる人材に成長している可能性もありますね。今から特技を磨く、仕事に必要な資格を取得する、社外にも人脈を広げ充実した新規提案やプロジェクトの実現に生かすといった努力をした人としなかった人との間には、もちろん徐々に年収の差が開くでしょう。

 標準以上の年収アップを具体的にイメージするため、「23歳の人が、5年以内に資格を取り仕事力を磨き、会社に貢献。28歳時点から標準より50万円高い年収を得るようになった場合」を例に試算してみましょう。28歳から64歳まで36年間、常に平均的な年収より50万円高い年収だと生涯賃金は1800万円多くなります。30年後の日本だと70歳定年が主流かもしれません。その場合は、69歳までの42年間で2050万円多くなります。

 入社1、2年の年収で50万円の差は非現実的に感じるかもしれません。しかし、30代40代50代とキャリアを重ねたとき、評価制度が整い仕事ぶりが収入に反映される職場なら月数万円ほど年収に差がつく可能性は十分にあります。スキルが蓄積されて転職すると年収が百万円以上で変わることも考えられます。

20代なら学びにもおカネを使おう

 40年ほどの期間に約2000万円、節約努力で貯蓄するのはなかなかハードです。しかし、節約だけでなく、将来もっと稼げるように今から準備も進めていけば、決して難しいことではありません。おカネを貯めたい、豊かな老後の準備も気になる……という人はぜひ、発想を転換し、節約と同時に自己投資や自分磨きにおカネを使うことの重要性と魅力について考えてみてください。

 資格やスキルなど、明確な目的が定まらない時期は、さまざまな場所に足を運び見聞や人脈を広げ、仕事のアイデアやコミュニケーションの話題を充実させる、自己管理のためにカラダを鍛えるなども、とてもよいおカネの使い方です。

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年金と働き方をシミュレート

 会社員の年収額が高くなれば、将来の厚生年金の内容がより充実するといううれしいインセンティブもあります。現在の年収額を維持する、資格や転職で年収を増やす、または将来のプランに向け留学などの学習や復学などの準備期間を経て再就職や起業するなど、これからのライフプランや働き方は、これまでとは比較できないほど多様になっていくでしょう。副業、ダブルワークという選択肢も徐々に広がりを見せていますね。

 「ねんきんネット」は日本年金機構が運営する、将来の年金額シミュレーションサイト。年金加入者なら登録すれば誰でも利用できます。これからの各時期の自分の働き方を入力していくと、将来の受給年金額を確認することができます。複数の働き方プランを登録し比較検討できるので、20代からぜひ上手に活用してほしいと思います。

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勤務先が推奨する資格を確認する

 働き方改革の影響もあり、長時間労働が前提の働き方を見直す傾向にあります。これはチャンスですね。できたゆとりの時間に、勤務先が認めている副業で稼ぐのも一案でしょう。しかし、最初の一歩はあえて本業で、もうワンランク収入を増やす方法を考えてみましょう。

 勤務先が取得推奨している資格がある場合は、その取得のための受験料が給付される、合格したら一時金が付与される、資格手当として毎月のお給料が増えるなどの規定があります。仕事の現場で、会社が求める成果をすぐに図るのは新社会人にとって困難なことも多いようです。しかし推奨されている資格の中で興味のあるものの獲得を目指すことは、スキルアップにつながると同時に評価にも結びつきやすい方法です。

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