大豆油で炒めると脂っこさが少なく、さっぱりした仕上がりに!

脇屋 藤橋さんはなぜ大豆油に注目されるようになったのですか?

藤橋 実は大豆オタクから始まったんです。10年くらい前までひどいアトピーに悩んでいて、それをどうにかしたいと食事を見直すうちに、食物繊維やオリゴ糖など腸内環境を改善する成分がたくさん含まれている大豆をよくとるようになりました。豆腐、味噌など大豆食品に触れていくなかで、大豆油が私たちの身近にある油だと知り、ソイオイルマイスター検定を取得し、ますます興味を持つようになりました。

脇屋 中国では医食同源が根付いていて、大豆を食べていると力が湧いてくるという考えを持っています。ですから、中国料理では湯葉や押し豆腐、豆乳などをよく使い、体にいいものとして、たくさんとります。

藤橋 大豆は畑の肉というくらい栄養バランスがいいので、管理栄養士としても、もっと皆さんに食べてもらいたいと思っています。ソイオイル(大豆油)は家庭料理にも使いやすいですか?

脇屋 使いやすいと思いますよ。野菜炒めはその違いが一番わかりやすいでしょうね。中国料理では、ねぎや山椒で香りをつけて作った「香味油」をよく使います。家庭でも、ひと工夫して大豆油で「香味油」を使ってみるのもおすすめです。たとえば、大豆油にオレンジの皮、生姜、山椒、にんにくひとかけらを入れて火にかけ、低温から160~170度くらいまで火を入れてこした「香味油」を作ってみてください。それを使って野菜を炒めると、もやしとニラだけでもとても奥行きのある味わいになります。

藤橋 私も炒め物に一番よく使います! ソイオイル(大豆油)で炒めると脂っこさが少なく、さっぱりとした出来になり、とてもおいしくなると感じます。唐揚げなどの揚げ物に使ってもコクのある味わいになります。

脇屋 夏バテを乗り切るスタミナ源には、レバニラ炒めもいいのではないでしょうか。生のレバーに醤油、片栗粉、ゴマ油を合わせてフライパンで軽く焼き、そこにさっとボイルしたもやしを加え、最後にニラを入れて調味液で味を整えれば、簡単で野菜がシャキシャキの仕上がりになります。

藤橋 レバーを入れると、女性に不足しがちな鉄分補給もできていいですね! ほかに油を活かした調理法はありますか?

脇屋 われわれプロは素材の下ごしらえとして“油通し”という技法を使います。野菜を油通しするとシャキッとして甘みが引き立つからです。でも家庭では油の処理も大変だし、なかなかできないと思います。その代わりに、ガス台の1つでお湯を沸かし、1つでフライパンを熱し、油をなじませていつでも炒められる状態にして準備をしておく。お湯が沸いたらオイルを大さじ1杯入れ、そこに野菜をくぐらせてから、準備しておいたフライパンで軽く炒めてみてください。おすすめはチンゲン菜、ブロッコリー、アスパラガス、もやしなど。油がまとわりつくことによって、色鮮やかにおいしく仕上がります。

藤橋 なるほど。初めて知りましたが、簡単に取り入れやすそうです! さっそくそれを活かしたレシピを考えてみようと思います。今日は、どうもありがとうございました。