最近テレビやニュースなどで「5G(ファイブジー)」という単語をききますが、じつは5Gがなんだかわからないという人も多いのではないでしょうか。筆者も「5Gが搭載されるとスマートフォンが早くなるらしい」というボンヤリとした知識しかありません。そこで、ここでは5GのスペシャリストともいえるNTTドコモに5Gについて詳しく説明してもらいました。

今回お話をうかがったNTTドコモの5G・IoTソリューション推進室 ソリューション技術支援担当 担当課長 中野哲也氏(右)とコンシューマビジネス推進部 デジタルコンテンツサービス ゲームビジネス担当課長 森永 宏二氏(左)のお二人
今回お話をうかがったNTTドコモの5G・IoTソリューション推進室 ソリューション技術支援担当 担当課長 中野哲也氏(右)とコンシューマビジネス推進部 デジタルコンテンツサービス ゲームビジネス担当課長 森永 宏二氏(左)のお二人

――まずは5Gというのがなんなのか教えてください。

中野氏(以下、敬称略) 5Gというのは「第5世代移動通信システム」のことです。「移動通信システム」とは、ざっくりいうと持ち運べる通信機器を使ったモバイルコミュニケーション技術のこと。5Gとは「5th Generation」つまりモバイル通信システムの第5世代の略称になります。ちなみに、1G(第1世代)が普及したのが80年代ごろ。お笑い芸人の平野ノラさんが持っているショルダー型の電話などがこの1Gに対応した製品になりますね。そこからどんどん通信速度などが高速化し、約10年ごとに第2世代、第3世代と進化しました。現在は4G LTEが主流になっています。

――つまり5Gを利用すると、今よりもスマートフォンの速度が早くなると考えれば良いんでしょうか?

中野 通信速度が速くなるのはもちろんですが、じつはそれだけではありません。5Gのメリットは大きく3つあって、それが「高速大容量」「低遅延」「多数同時接続」です。

通信の高速大容量化でDVD映画のダウンロードが10秒以内に!?

――その「高速大容量」「低遅延」「多数同時接続」というのは、実際のところ我々エンドユーザーにとって体感できるレベルで凄いものなのでしょうか?

中野 それでは、順番に説明をしますね。まず一番わかりやすいのはやっぱり「高速大容量」です。名前の通り通信速度が上がるメリットで、現在の4G LTEは速くても1Gbpsほどの通信速度なのに対し、5Gなら目標数値が20Gbpsになります。サービス開始前なのであくまでもこの通信速度の数値は「目標数値」ではあるのですが……。

――通信速度が早くなるのはわかりましたが、正直いうと私は現在のスマートフォンでも遅いとは感じていません。そういう人にもメリットはあるのでしょうか?

中野 そうですね、速度のベネフィットを体感しやすいのは動画のダウンロードだと思います。4Gでも動画は見られますが、5GになるとDVD画質くらいの映画データが一本数秒から10秒以内でダウンロードできるようになるはずです。

――映画一本が10秒以内でダウンロードというのはスゴイですね! 飛行機に乗る前に観たい映画をまとめてササッとダウンロードできると便利そうです。

中野 いまはテレビ映像なども従来より高画質になり、4Kや8Kといった規格が今後普及しそうです。映像データが高画質化・大容量化しても、5Gなら短時間でストレスなくダウンロードできるようになります。外出先で映像や動画を見る機会がふえている現在、高画質化には高速通信が欠かせないともいえますね。