人生100年時代といわれ、年金に頼るだけでなく、自分でも老後のための資産を蓄えておく必要があるといわれる昨今。「まだ若いから、もう少し年をとってから考えよう」と思っていませんか? 資産形成は若いうちからのスタートが大きな意味を持っています。将来のためにどうやって備えればいいのか、同世代のお金のプロに聞きました!

同世代のお金のプロに聞くdoors世代のマネー術

 「若いうちからの資産形成は“時間があること”が一番のメリット。20代、30代のうちから少額でも続けていくことで、将来の大きな備えになります」と話すのは、マネックス証券マーケティング部の羽間莉沙子さん。

 「たとえば、40歳から積立を始めて60歳までに1000万円貯めようとすると単純計算で毎月4万2000円貯めなければなりません。それが、30歳から始めると2万8000円ほどで済みます。20代から始めればさらに少額で大丈夫ということになりますよね」と羽間さん。

 それでは、初心者が始めやすい資産形成の方法にはどんなものがあるのでしょうか。若いうちから投資を始めることの大切さを実感しているというdoors世代の羽間さんにdoors世代のマネー術を教えてもらいました。

<b>羽間莉沙子(はざま・りさこ)</b>さん<br> マネックス証券 マーケティング部<br> 2018年にマネックス証券に入社。主に投資信託、NISA、iDeCoなどの資産形成商品のマーケティングを担当
羽間莉沙子(はざま・りさこ)さん
マネックス証券 マーケティング部
2018年にマネックス証券に入社。主に投資信託、NISA、iDeCoなどの資産形成商品のマーケティングを担当

 「老後資金を貯めるのに役立つと最近話題なのは、『NISA(ニーサ)』『つみたてNISA』『個人型確定拠出年金 iDeCo(イデコ)』です。いずれも節税をしながら資産形成・資産運用ができる投資制度。『iDeCo』の節税効果は大きいのですが、私的年金制度なので原則として60歳になるまでお金を引き出すことができません。doors世代の働く女性は、結婚、妊娠、出産などのライフイベントをこれから迎える方も多いと思うので、お金が必要になった時にいつでも引き出せる『NISA』『つみたてNISA』の方が安心かもしれません」

 「NISA」は、毎年一定金額の範囲内で購入した株式や投資信託から得られる利益が非課税になる制度。「NISA」と「つみたてNISA」の大きな違いは、非課税になる上限金額と年数、さらに投資する商品です。

 「『NISA』は非課税で投資できる金額が年間120万円で期間は最長5年間。また、投資できる商品は国内株式、投資信託、米国株式などの多彩な商品から選べますが、投資が初めての方はどの商品を選べば良いか迷ってしまうかもしれません。それに対して、『つみたてNISA』は非課税で投資できる期間が最長 20 年と長いのですが、投資枠は年間40万円まで。それでも、月々約3万3000円の積立ができます。また、投資できる商品は投資信託となります。ですから、初めての投資で少額から試してみたいという方は、『つみたてNISA』から始めてみると良いのではないでしょうか」(羽間さん)

 でも、少額とはいえ、投資信託で運用していくとなると、「せっかく貯めたお金が減ってしまうことはないの?」とちょっと不安な気持ちも……。

 「『つみたてNISA』で扱う投資信託の商品は安定的な資産形成を目指せるように国が定めた基準をクリアしたもの。長期の資産形成に適した商品の中から選べるので、投資未経験者でも始めやすく、リスクを抑えた投資も可能です。株式投資のように日々相場の動きを追う必要もないので、仕事にプライベートに忙しいdoors世代の女性たちにぴったりです」