地球温暖化の防止に向けて私たちにできること

普段は目に見えない二酸化炭素に触れるきっかけとして、ドライアイスにまつわる実験を披露してくれました
普段は目に見えない二酸化炭素に触れるきっかけとして、ドライアイスにまつわる実験を披露してくれました

 最近、五十嵐さんがサイエンスショーでリクエストされることが多いというテーマに、「地球温暖化」があります。

 「地球温暖化やSDGsについて取り上げてほしいと言われることがとても増えてきました。注目されているテーマで、一緒に参加する保護者の皆様も興味を持っていると感じます。でも、子どもたちに『なぜ二酸化炭素が増えるといけないの?』ということを伝えるのは難しく、二酸化炭素の性質を調べてその不思議さにまずは興味を持ってもらえるようにしたり、ランプを当てて二酸化炭素の温度変化を調べて地球温暖化とひも付けてもらえるようにしたり、試行錯誤を続けています」(五十嵐さん)

 二酸化炭素の排出量増加が原因のひとつとされる地球温暖化。日本で排出される二酸化炭素のおよそ1/3は、電気を作る際に発生しています。そのため、地球温暖化を抑制するためには、発電する際に二酸化炭素を出さない、水力、太陽光、風力などの再生可能エネルギーや原子力発電をバランスよく組み合わせて活用する必要があります。

「エネルギー問題は他人事ではなく、自分たちの生活に大きく関係のあること。私たちの世代は、日々の便利で快適な暮らしと将来のことをセットで考える必要があると思います。そのためには、子どもたちにももっと科学やエネルギーに興味を持つきっかけを創ることが大切。エネルギーに関しては、再生可能エネルギーや原子力は二酸化炭素を出さないけれど、どれをどれだけ組み合わせれば最適なのか自分自身で想定してみるというプログラムも考えています。また、いくら安全だといっても安心だと感じるかはその人しだいだと言われていますよね。科学に関する知識を理解したうえで、それがどう社会につながっているか、どういう技術につながっているかを知ってもらうことで、自分で考える力を持っていきたいですね。さらにはこれからの日本の未来を担う人材が育つことにつながればうれしいですね」(五十嵐さん)


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取材・文/中澤小百合 写真/佐々木実佳