コロナ禍で誰もが生活のさまざまな場面で大きな影響を受けている中、リモートワークにもステイホームにも欠かせないのが電気。サイエンスエンターテイナーとして科学の面白さを伝える活動を続ける五十嵐美樹さんに、コロナ禍でどのような活動をしていたかといったお話から、昨今、注目のテーマである、地球温暖化を抑制するための低炭素社会についての思いまでを伺いました。

科学の面白さを伝えたいと辿り着いた『サイエンスエンターテイナー』

<b>五十嵐  美樹(いがらし みき)</b><br>東京大学大学院修士課程修了。東京大学科学技術インタープリター養成プログラム修了。2020年春より東京大学大学院情報学環客員研究員。ジャパンGEMSセンター特任研究員。上智大学理工学部在学時に「ミス理系コンテスト」でグランプリを受賞後、自身が科学に興味を持つきっかけとなった科学実験教室やサイエンスショーを全国各地の子どもたちに向けて開催、講師を務める。科学館や小学校だけでなく、商業施設や地域のお祭り、お寺など幅広い場所でサイエンスショーを開催し、科学の一端に子どもたちが触れるきっかけを創り続けている。大企業エンジニア職での経験を活かして理系女性の進路を考えるキャリアイベントの講師としても活動し、理系女子未来創造プロジェクト理事を務める。女子小中学生を対象に理科教育などを実践する個人または団体を表彰する日産財団「第1回リカジョ賞」準グランプリ受賞
五十嵐 美樹(いがらし みき)
東京大学大学院修士課程修了。東京大学科学技術インタープリター養成プログラム修了。2020年春より東京大学大学院情報学環客員研究員。ジャパンGEMSセンター特任研究員。上智大学理工学部在学時に「ミス理系コンテスト」でグランプリを受賞後、自身が科学に興味を持つきっかけとなった科学実験教室やサイエンスショーを全国各地の子どもたちに向けて開催、講師を務める。科学館や小学校だけでなく、商業施設や地域のお祭り、お寺など幅広い場所でサイエンスショーを開催し、科学の一端に子どもたちが触れるきっかけを創り続けている。大企業エンジニア職での経験を活かして理系女性の進路を考えるキャリアイベントの講師としても活動し、理系女子未来創造プロジェクト理事を務める。女子小中学生を対象に理科教育などを実践する個人または団体を表彰する日産財団「第1回リカジョ賞」準グランプリ受賞

 サイエンスエンターテイナーとして活動する五十嵐美樹さんは、「環境などに左右されず子どもたちが科学に触れるきっかけをつくりたい!」という思いのもと、サイエンスショーや科学実験教室を開催するほか、テレビ番組での実験の監修などでも活躍しています。

 「大学生の時に、理系の知識と特技披露で競う『ミス理系コンテスト』に出場して、優勝しました。せっかく選んでいただいたのだから、何か社会に還元できることがないかと考え、自分が学んできたことを自分なりに表現して子どもたちに科学の楽しさを伝えることができないかと思ったんです。でも、その時には既にエンジニアとして企業から就職の内定をもらっていたので、一度は就職しました。平日は会社員として働き、休日に『ミキラボ実験室』として、科学館などでイベントに携わらせてもらうことに。そんな生活を1年半ほど続けたのち、退社し、サイエンスエンターテイナーとして独立することを決めました」(五十嵐さん)

 そんな五十嵐さんですが、幼い頃は理系の勉強がすごく得意だったというわけではないそう。「中学生の時に虹をつくる実験を見て、『面白い!』と興味を持つと同時に、科学って身近なところにあるのだと気づきました。『世の中の現象は、すべて科学で説明できるんじゃないか』なんて思うようにもなり(笑)、そこから頑張って勉強し始めました」(五十嵐さん)

 科学館でのイベントは科学に興味を持つ子どもたちが集まり人気だというが、さらにその先の、かつての自分のようにあまり興味がない人に向けても科学に触れるきっかけを創っていきたいという思いがあるという五十嵐さん。そこで取り入れるようになったのが、得意のダンス。

「ショッピングモールなどでは、興味がない人にとってはただ実験をやっていても素通りされてしまうことも多く、なかなか立ち止まってもらえません。そこで、自分なりにどう表現するか考えた時に、私の場合はヒップホップダンスが得意なので、それを使って表現することを思いつきました。ダンスは小学1年生の時からずっとやっていて、科学の道に進むかダンサーになるか悩んだくらい好きなこと。それなら両方を組み合わせて自分の個性にすればいいと。そのために両方を活かせる『サイエンスエンターテイナー』という職業を名乗ったともいえます(笑)」(五十嵐さん)