ライフステージ変化に焦り“詰め込みスタイル”で壁に

――2015年に結婚、同年10月に出産されました。休み方はきっとこのあたりから変化されましたよね。

眞鍋 そうですね。半年ほどの産休後、徐々に仕事に復帰したのですが「あれ? 世の中が変わってきてる?」と驚きました。番組でも他人を否定する場面や過激なパフォーマンスが極端に減って、みんな肯定し合いながら回していく。時代の変化やSNSの浸透などさまざまな要因が絡んでのことだと思いますが、ずいぶんやさしい世界になっていました。

仕事の休みもぐっと取りやすくなったんですが、私はといえば子育てが加わり自分自身の時間が激減。インプットが減る恐怖感もあって、移動や料理中などのわずかな時間をかき集めて1日2、3時間ほど、英会話や資格などの「ながら勉強」を始めたんです。

が、このマルチタスク状態でかなり疲弊してしまって。ケアレスミスが頻発し、頼まれごとを即座に忘れ、怒りっぽくなり……それでようやく気が付いたんです。毎日の中できちんと「休息」を取らなければパフォーマンスが下がるんだなと。時間を目いっぱい使ってなんでも詰め込めばいいわけじゃない、意識改革が必要だと思いました。

休息も含めたセルフマネジメントへシフト

――どのように方針転換されたのですか。

眞鍋 まず心掛けたのは、マルチタスク癖をなくすこと。いろいろ本などをあたり、人間が集中力を保てるという15分間ごとに時間を区切ってひとつのことに集中する習慣を身に付けたんです。英語のリスニング教材も15分で自動的に切れるよう設定し、ダラダラ続けない。すると「ながら」よりずっと短い時間でも、学習したことが記憶に残りやすい! びっくりしましたね。

意識的に「無になる時間」も作るようにしました。例えば料理中のみじん切りに癒やしを感じるのですが、単純作業への没入感はまさに「無」。常にタスクと情報でぎゅうぎゅう詰めだった頭の中に、「余白」を作ってくれる貴重な時間だと思っています。

子どもが寝た後に夜更かしして、スマホを見ながら寝落ち、という生活も朝型にシフト。まだ家族が寝ている朝6時ごろ起床し、漫画を読んだりイラストを描いたり、自分の時間を楽しみながらリフレッシュしています。限られた時間だからこそ、好きなことだけに集中して向き合えるんです。こうして時間の使い方を見直すうちに、以前には存在しなかった「オフスイッチ」も徐々に自分の中に芽生えてきました。