世界の経済成長のほぼ2倍の速さ

 ウェルネス業界の成長のスピードを見ると、2015年から2017年にかけて毎年6.4%成長を達成している。合計額は3.7兆ドルから4.2兆ドルへと増加。IMFデータに基づくと、世界全体の経済成長は年間3.6%なので、「世界経済のほぼ2倍の速さ」とも言える。

 なぜそのようなスピードで成長しているのか? キーワードとして「100年人生」が上がる。

 「100年スパンの長い人生が我々を待ち受け、50歳でも“まだ人生半分”という、人類史上初めての状況を迎えている」とプレゼンするのは、米国コンサルタント「AGEIST」のCEO、デイビッド・ハリー・スチュアートだ。

「この若々しい50代を見てください。50歳でも“まだ人生半分”という、人類史上初めての、非常に刺激的で魅力的な時代を迎えている」とアメリカ「AGEIST」のCEO、デイビッド・ハリー・スチュアート。
「この若々しい50代を見てください。50歳でも“まだ人生半分”という、人類史上初めての、非常に刺激的で魅力的な時代を迎えている」とアメリカ「AGEIST」のCEO、デイビッド・ハリー・スチュアート。

 日本でも「人生100年」という言葉はすっかり定着したが、その状況を世界のビジネスパーソンが戸惑いと可能性に溢れた状況として向き合っている。

 たとえば「美容」という言葉。このワードには「美しくなければならない、若い人と同じようなスタイルでなければならない」という価値観があった。しかしウェルネスの分野では違う捉え方がされ始めている。それは、「美しいままでいることは不可能だ、若い人と同じでなくても、十分に“美しい”」という新たなビジョンだ。よく巷で見かける「マイナス○歳肌」といったような美意識は急激に古くなりつつある。

 「健康」という言葉にも同じ変化が訪れている。