日本は「ウェルネス」に強い国

 「ウェルネス」という課題に対し、実は日本は強みを持っている。なぜなら、必ずといっていいほど、議論の中には精神・禅・内省・健康食・少子高齢化社会などのテーマが顔を出すからだ。

 「日本の20世紀は、技術・製造分野で世界と勝負していた。しかし今後の日本は、このウェルネス分野で十分に世界をリードできる資質があると思う。だって世界中が“少子高齢化の先生”として日本を静かに熱く見守っているから」とハイアットグループ・アジア地域のシニア・バイスプレジデント、カリーナ・コリンゲルは話す。

サミットは毎年異なる国で開催される。米国、スイス、トルコ、バリ、インド、モロッコ、メキシコ、オーストリア、イタリア、シンガポールで開催されてきた。アジアの強みを世界に伝えるべく、今後は東京開催も期待されている。
サミットは毎年異なる国で開催される。米国、スイス、トルコ、バリ、インド、モロッコ、メキシコ、オーストリア、イタリア、シンガポールで開催されてきた。アジアの強みを世界に伝えるべく、今後は東京開催も期待されている。

 今やウェルネス分野における支出は、全世界の医療支出(WHOデータに基づくと7.3兆ドル)の半分以上にもなる。この成長する巨大マーケットで、日本やアジアが新たな個性や強みをどう生かせられるのか。

 次回の記事では、日本を含むアジアの動向をリポートする。

取材・文・撮影/羽生祥子(日経xwoman総編集長)