「Wellness(ウェルネス)」という言葉をご存じだろうか? Wellbeing(ウェルビーイング)と同義でも使われ、直訳すると「健康、幸福」といったところだ。この言葉はまだ日本には定着していないが、世界のマーケットでは10年前頃から注目され始め、今や約500兆円にまで急成長している。そんな可能性を秘めた巨大業界の国際サミット(GWS)が2019年10月にシンガポールで開催された。会場の熱気と共に、なぜこの分野が急成長しているのか、現地から上下2本でレポートする。
グローバルウェルネスサミット(以降、GWS)は、ウェルネスビジネスにおける世界最大の国際会議。第13回を迎えた今年の開催国はシンガポールだ。アジアのウェルネス消費額の急成長を追い風に、150カ国から関連業界で働く約500人のビジネスパーソンが集った。
500兆円に成長する「ウェルネス」分野に世界全体が注目
GWSの会長兼CEOのスージー・エリスは、「この業界のリーダーの皆さん、先見の明を持ち寄り、グローバルで4.5兆ドル(約500兆円)に急成長しているウェルネス経済の将来を積極的に形成してください!」と開会式で宣言。
スージーが発表するように、今日のウェルネス経済市場はグローバルで500兆円にまで膨らんでいる。ウェルネスとひとくちに言っても、健康や旅行など多岐にわたる分野がひしめく。現在最も大きな市場はビューティーやアンチエイジングなどで、日本でいうところの「美容業界」だ。それに続き、飲食・栄養・ダイエット関連、ツーリズム(旅行)関連、フィットネス・精神(健康)関連などがある。