不振の乳酸菌事業を再ブランディング、初の「免疫」機能性表示食品としてヒット

受賞者 佐野 環さん(49歳) キリンホールディングス 執行役員、ヘルスサイエンス事業部長

 長年に渡る社内の免疫研究で生まれ、商品化されるも、定着しなかった「プラズマ乳酸菌」に改めて着目し、再ブランディング。同乳酸菌を使ったペットボトル飲料とサプリメントからなるブランド「iMUSE(イミューズ)」は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、免疫活性化への期待から口コミで人気が拡大。2020年は前年比2倍超で推移。8月には免疫の機能性表示食品の第1号として届け出受理され、今冬さらに売り伸ばす計画。自身では30代で開発に携わった「氷結」に続く2度目のヒット商品。

中小企業の「後継ぎ」支援団体で、新規事業創造を後押し

受賞者 山野千枝さん(51歳) 一般社団法人ベンチャー型事業承継 代表理事

 後継者不在による中小企業の廃業が相次ぐなか、中小企業の若手後継者によるベンチャービジネス支援に特化した団体を創設。後継者同士が悩みをシェアし、ビジネスアイデアについて意見交換できるオンラインサロンを運営し、国や自治体、企業と組んで、後継者たちが新規事業アイデアを競うピッチイベントなども開催する。孤立しがちな後継者たちに横のつながりと、切磋琢磨できる場を提供し、ネガティブなイメージが先行しがちな「後継ぎ」の世界の変革をリードしてきた。

「スーツに見える作業着」が10億円のヒットに

受賞者 中村有沙さん(34歳) オアシススタイルウェア 代表取締役

 見た目は完全にスーツなのに、現場作業に耐えられる伸縮性や耐水性、形態安定性を持ち、洗濯機で丸洗いもできる「ワークウェアスーツ(WWS)」。水道工事を手掛ける企業の社員だった中村さんが、自社用の作業服として開発したWWSは、2018年に一般販売を開始、20年には早くも売上高10億円(法人向け含む)を超えるヒット商品に育った。既に650社が自社の制服として採用。アパレルのノウハウは皆無の小規模ベンチャーが、快挙を成し遂げた。

日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」について
●趣旨
1)働く女性のロールモデルを掲示
働く女性の多くが、身近に目標となる先輩を見出せないという悩みを抱いている。そこで、各分野で活躍する女性たちを紹介することで、働く女性のロールモデルを提示する。
2)組織の中に埋もれがちな個人の業績に光を当てる、人材発掘型の企画
既に著名な方から人選するのではなく、組織の中で埋もれがちな個人の業績に光を当て、新しい人材を発掘する。会社の看板に頼ることなく、個人の力を磨いてキャリア設計をする女性を紹介することで、21世紀型の仕事スタイルを探っていく。
3)働く女性の「今年」と「これから」を映し出し、時代の変化の矛先を捉える
働く女性の「今年」と「これから」を鏡のように映し出す企画でもある。その年に活躍した女性たちを通して、時代の変化の兆しを捉えていく。

●審査員(50音順)
・入山章栄さん(早稲田大学ビジネススクール 教授)
・小巻亜矢さん(サンリオエンターテイメント 代表取締役社長、ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020大賞)
・篠田真貴子さん(エール 取締役)
・出口治明さん(立命館アジア太平洋大学 学長)

●審査方法
以下4つの評価基準で採点、審査員4人と編集部の総合得点で決定。
1)新規性 着眼点の新しさ。イノベーションを起こし、新しい価値観を提示・実現したか。
2)成功度 今年のビジネスの業績。社会への貢献度。
3)社会へのインパクト 社会に多くの影響を与え、その発展・改革につなげたか。人々の心を豊かにしたか。
4)ロールモデル性 自ら切り開いたキャリアの道筋が、読者にとってモデルとなるか。
※審査基準・方法の詳細は、『日経WOMAN』2021年1月号(12月7日発売)81ページを参照ください。

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構成/日経WOMAN編集部