投資信託を少しでも持っていると勉強する

 第2部では森本さんと三井住友DSアセットマネジメントの谷本達宏さんが『お金を味方に付ける資産形成法を学ぶ』と題したクロストークを展開。マネーの勉強法や、投資信託について、深い議論を繰り広げました。

三井住友DSアセットマネジメントの谷本達宏さん(左)と森本さん(右)
三井住友DSアセットマネジメントの谷本達宏さん(左)と森本さん(右)

ーー自身の「市場価値」を高めて、せっかく“稼いだ”お金。自分の夢やゴールを実現するためには、正しいマネー知識を備えた上で、「お金自身に仕事をさせて」増やしていかなければ損をします。森本さんは、どんな勉強をしましたか?

森本千賀子さん(以下、敬称略) 私は不動産投信会社の友人からいろいろ教わり、「初心者でも分かる」といった金融関係のセミナーにもたくさん足を運び、国債のリスク、日本円とドル建てそれぞれのメリットデメリットなど背景も含めて勉強しました。今は投資信託や不動産投資などリスクをなるべく低く抑える形で運用しています。

谷本達宏さん(以下、敬称略) 初めの一歩を踏みだすことが大切ですよね。おすすめは投資信託です。投資信託を少しでも持っていると、意識が向いて勉強するし、為替と金利差の関係など気になることを調べると実体験として頭に入ってきます。

森本 確かに! 私も投資を始めてから、株価をチェックするのが楽しみになったり、不動産価格の変動やビルの新築なども意識するようになりました。それにマネーの話はビジネスや経営者との会話にも生きるから、ビジネスパーソンとしてのスキルアップにもつながります。

投資の鉄則は“地域分散”

ーーなるほど。谷本さんが投資の一歩目におススメする投資信託について、詳しく教えてください。

谷本 投資信託には大きく分けて2つの種類があります。1つは日経平均株価やNYダウなどのインデックス(指標)に連動して動く「インデックス型ファンド」。もう1つは、運用会社のアナリストやファンドマネージャーが調査・情報収集し、成長が見込める企業を中心に投資して積極的に運用する「アクティブ型ファンド」です。

 例えば三井住友DSアセットマネジメントで運用している直販専用アクティブ型ファンドは、運用チームのファンドマネージャーが年に2000件以上も企業を回り、経営者やIR担当者と話してその情報等を元に全体で購入銘柄を決めて運用しています。

 また、弊社の直販商品は1000円から始められます。ランチ1回分で投資できるわけです。たった1000円の投資でも、それが1100円になったら「100万円投資していたら10万円増えているんだな」と想像できるから楽しくなりますよ。

森本 1000円からとは知りませんでした! 投資信託って富裕層向けの商品だというイメージがあるかもしれませんが、全然そんなことはありませんね。私は頑張っている企業を応援したり社会貢献の意味も込めて投資することもあります。

谷本 アクティブ型の中でもSDGS(持続可能な開発目標)やESG(環境、社会、ガバナンス)をテーマにした投資信託も注目を集めています。そうしたファンドを買えば社会貢献につながるし、投資した会社が成長すればリターンも期待できます。

ーーそうはいっても株式で運用する投資信託は値下がりが心配、という人もいますよね。

谷本 株を買う時は安いところで買って高くなった時に売れば儲かります。当社のような運用会社もマーケット見通しのレポートを出したりしますが、こうした予想は絶対ではなく状況に応じて変わります。それに景気は常に動いているから見極めは難しい。ですから投資の鉄則の1つは“地域を分散する”こと。世界各国の景気は違うペースで動くから、リスクが分散できます。

森本 ではどんな商品をどう買えば、リスクを少しでも抑えられますか?

谷本 一般論ですが、景気が上がり切った後は株価が下がるから現金や国債にお金を移すといいと言われます。でも1つの商品を買うのは危険だしタイミングの見極めは難しい。ですから地域を分け、さらに投資信託、株式、債券、REIT(不動産投資信託)などいろいろな種類の商品に分散投資するのがおススメです