10代でポップ&キュートなシノラーブームを巻き起こした篠原ともえさんは現在、会社を立ち上げてデザイナーとして活躍中です。なぜ篠原さんはデザインに向き合い続けるのか、そして自分自身とキャリアをどうブランディングしていったのか。夢への向き合い方とデザインへの思いについてうかがいました。

臆せずアピールして扉を開く

編集部(以下、──) 現在、デザイナーとして精力的に活動されています。デザイナーを志すようになったきっかけを教えてください。

篠原さん(以下、敬称略) 高校でデザインを専攻したことが大きいですね。もともとは子どもの頃から洋服作りが好きだったので家政科を志望していましたが、中学校の担任の先生に強く勧められて。「デザインを専門にする方が篠原の才能を活かせるんじゃないか」って。

当時は、文化祭で看板を作るなどデザインのことになると、私が真っ先に手を挙げてリーダーになっていたので、そういう姿を見て何が向いているのか考えてくださったのだと思います。おかげで高校では基礎のデッサンから平面構成、グラフィック、写真に至るまで網羅的にデザインを学ぶことができ、そのスキルをいつか仕事に活かせればいいなと思うようになりました。

篠原ともえさん●1979年、東京都出身。2001年、文化女子大学(現・文化学園大学)短期大学部ファッションクリエイティブコース・デザイン専攻卒業。1995年、ソニーレコードから歌手デビュー。テレビのバラエティー番組で独自のファッションとトークが大ブレーク、シノラーブームを巻き起こす。衣装デザイナーとしても創作活動を続け、松任谷由実コンサートツアー、嵐ドームコンサートなど、アーティストのステージ・ジャケット・番組衣装を手がける。2020年、アートディレクターの池澤樹とクリエーティブスタジオ「STUDEO」を設立。2021年、デザイン・ディレクションを手がけたアクセサリーが、国際的な広告賞であるニューヨークADC賞において、トラディショナルアクセサリー、イノベーションの2部門でメリット賞を受賞した。
篠原ともえさん●1979年、東京都出身。2001年、文化女子大学(現・文化学園大学)短期大学部ファッションクリエイティブコース・デザイン専攻卒業。1995年、ソニーレコードから歌手デビュー。テレビのバラエティー番組で独自のファッションとトークが大ブレーク、シノラーブームを巻き起こす。衣装デザイナーとしても創作活動を続け、松任谷由実コンサートツアー、嵐ドームコンサートなど、アーティストのステージ・ジャケット・番組衣装を手がける。2020年、アートディレクターの池澤樹とクリエーティブスタジオ「STUDEO」を設立。2021年、デザイン・ディレクションを手がけたアクセサリーが、国際的な広告賞であるニューヨークADC賞において、トラディショナルアクセサリー、イノベーションの2部門でメリット賞を受賞した。

──10代の頃からすでにデザインを志向されていたのですね。メディアの仕事からデザインの世界へ、どう舵(かじ)を切っていったのですか。

篠原 16歳でデビューして以来、自分らしくありたいという気持ちから、仕事の現場では自分のデザインをどんどんアピールしていました。例えば、テレビの収録現場ではアクセサリーや衣装を自らスタイリングしたり、コンサートや舞台の仕事では衣装を考えてプレゼンしていました。アイデアが面白ければ衣装さんがデザイン通りにそれを作ってくれましたし、大道具や小道具の方々が賛同して衣装に合うセットを製作してくれることも。

そうやって自分の手で生んだものが育っていくことが快感でしたし、年齢が若くても熱意を持って伝えればキャッチしてくれるクリエーターの人たちもたくさんいる。だから、何より扉を開いたカギは、「積極的なアプローチ」だったと思っています

学びの選択は「やってみたい」と心が揺れるかどうか

──ご自身のキャリアデザインについて意識していることは何でしょうか。

篠原 表舞台の仕事もしてきましたので、「メッセンジャーとしての役割も担っている」ことを意識しています。私の活動が誰かの背中を押したり、応援する力になったらいいなって。

例えば、20代や30代のときは、ワンピースをデザインして型紙を作り、本として形に残すということに集中していました。というのも、何かを始めたいと思っている人がその本を見て洋服作りを始めたりと、きっかけになることを届けたい気持ちがあったからなんですね。作る人とつながり合いながらものづくりを通じてコミュニケーションすることが大好きなんです。

──40歳で再び大学に通い直しました。シノラーブームのときも大学進学で話題を呼びましたが、学び続ける理由を教えてください。

篠原 デザイナーとしてのスキルを上げるために母校で学び直し、今も月に1回は大学の恩師のもとに通って洋服のパターンを教えていただいています。また、新しい創作につながるように版画教室に通ったり、パッケージデザインを手がける目標があるのでタイポグラフィーを学んだり。

学ぶことで手を動かす環境を作り、自分自身でエンジンを回すことが必要だと思っているんです。するとやる気がどんどん湧いてきて、デザインの仕事がなかなかこないときでも不安が払拭できますし、待ってるだけじゃなく、次の仕事に必ずつながると信じられる。

ただ、戦略的に学んでいるというよりは「やってみたい」と心が揺れたことを素直に挑戦してみるんです。例えば、版画は、版画アーティストの作品を見て「すてきだな、私もやってみたいな」と思ったから。

楽しみながら学ぶ私を見て、誰かが新しい習い事を始めるかもしれませんし、新しい仕事につながるかもしれない。何かにポジティブに影響すれば、それが私の学びのゴールなんです。