多様性を受け入れる文化がPaidyに浸透している理由

── Paidyに深く浸透しているダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)。それはなぜ実現できていると考えますか。

シルビア Paidyは、創業者を筆頭に、社員の誰もが、日本のお客様のお買い物体験をより良いものに変えていきたいという熱い思いを持っています。そして、最高の顧客体験を追求するには、世の中からベストタレントを集めてくる必要があります。様々な才能の持ち主が集まれば、新しい課題も見えてくるし、新しい答えもアイデアも出てくる。そんな理念やビジョンが、社員全員に土台としてあるのです。

私自身も、今のチームメンバーを採用する際に、金融出身の人は1人も採用していません。別の業界で頑張って結果を出してきた人の方が、物事や課題を違う観点で見られる強みがあると信じているからです。違うバックグラウンドを持つ者同士がお互いに刺激し合って、みんなでソリューションを生み出していく。それが、イノベーションの源泉だと思っています。

海宝 カテゴリーのパイオニアであるPaidyだからこそ、多様性を生かしてイノベーションを起こしていくことが、経営のアジェンダとしてすごく重要です。それを実現するにはインクルージョンも非常に大事。バックグラウンドを共有していない人同士がコミットメントを持って、時に議論を戦わせながら最高のアウトプットにつなげていく。そんなカルチャーが、社員に根付いていると思います。

<b>海宝晃子</b>(かいほう・あきこ)さん<br> Head of Marketing<br> マース ジャパン リミテッド、ジョンソンヴィル・ジャパン合同会社にて、ブランドマーケティングや新ブランド開発を担当。21年5月、PaidyにHead of Marketingとして入社。BNPLを牽引する同社の日本におけるブランディング、マーケティング戦略の立案・実行を担当
海宝晃子(かいほう・あきこ)さん
Head of Marketing
マース ジャパン リミテッド、ジョンソンヴィル・ジャパン合同会社にて、ブランドマーケティングや新ブランド開発を担当。21年5月、PaidyにHead of Marketingとして入社。BNPLを牽引する同社の日本におけるブランディング、マーケティング戦略の立案・実行を担当

桐明 インクルージョンには心理的安全性がすごく大事。その点においてPaidyは、完全にプロフェッショナルの集まりなので、お互いにリスペクトがあります。誰とでも議論できるのは、個々がプロフェッショナルとしてそれを発言し、相手を自分と異なるプロフェッショナルとして認め合っているから。そういう考えが全社員のベースにあることで、D&Iが成り立っていると思います。

川上 加えて、社員同士が交流しやすい環境や空気もサポートしていると思います。例えば、月に1回行っているAll Hands(全社会議)では、新たにジョインしたメンバーを紹介する時間が必ず設けられています。そういった場でお互いのことを知り、共通の趣味を持つ人同士が声を掛け合って集まったり、誰かがイニシアチブをとってちょっとしたイベントが開催されることも。過去には、インド出身の社員の奥様が運営するカレー弁当をPaidyで定期販売するといった“インド弁当”企画などがありました。そんなふうに、仕事を超えたコミュニケーションが自由にオープンに行えることも、D&Iの実現につながっていると思います。

── Paidyでキャリアを重ねてきた中で、うれしかったこと、悔しかったこと、印象に残っている体験、忘れられない体験を教えてください。

桐明 ペイディというブランドやカテゴリーが確立されていない状況から、今では、BNPLにおけるリーディングサービスとして語られるようになったこと、多くのメディアに取り上げてもらえる環境を築くことができたのは、大きな財産だと思っています。また、ペイディは、お買い物を未来の自分への投資と捉え、やりたいことを後押しするようなサービスを目指していますが、まさにそういう使い方をしてくださっているお客様の声を聞くと、すごくうれしいです。ブランドとして取り組みたかったことができていると感じています。

川上 Paidyの業績は19年頃から右肩上がりになっていますが、それ以前には絶対的な危機もあり、ここ数年は、まるでジェットコースターに乗っているかのように変化が目まぐるしいです。でも、たとえ何が起こっても、「全ての部署で一人ひとりが最大のパフォーマンスをする」といった共通認識のもとで、いつでもみんなで共有し合える環境があり、そうやって乗り越えてきたからこそ、今、良い結果が生まれてきているのだと思います。

<b>川上沙織</b>(かわかみ・さおり)さん<br> Head of Relationship Management<br> 楽天トラベルで営業として活躍。数少ない女性のマネジメントとしてチームを率いた後、19年6月、Head of Relationship Management(営業)としてPaidyに入社。既存のクライアントマネジメントを一手に引き受け、ビジネス上の問題を解決し、PaidyのサービスのGMV(Gross Merchandise Value)を最大化している。1児の母
川上沙織(かわかみ・さおり)さん
Head of Relationship Management
楽天トラベルで営業として活躍。数少ない女性のマネジメントとしてチームを率いた後、19年6月、Head of Relationship Management(営業)としてPaidyに入社。既存のクライアントマネジメントを一手に引き受け、ビジネス上の問題を解決し、PaidyのサービスのGMV(Gross Merchandise Value)を最大化している。1児の母

シルビア 私にとって一番うれしいことは、メンバーの成長です。採用した責任もありますので、仕事にやりがいを感じてもらえているとすごくうれしいですし、実際にみなさん、素晴らしい成果を生み出しています。私の仕事は、メンバーが力を最大限に発揮できるよう後押しすること。そのためにも、できていないことよりできたことをリマインドさせたり、特に女性メンバーには、80%の完成度でアウトプットし、周りからのフィードバックでブラッシュアップしていくという、完璧主義になりすぎないマインドセットを持たせることを大切にしています。

海宝 まさにその、80%でアウトプットという考え方に、私は入社後しばらく悩まされました。築いてきたキャリアやスキル、信じていたこととのギャップが大きかったので。そんな中、シルビアや同僚、家族にサポートしてもらいながら気づいたのは、今までやってきたことを一度捨てて、新しいことを学んでいかないと次のステップにはいけないということ。目の前の事象や状況に集中することで、だんだん慣れてきました。ずっと過去にこだわっていたら、未だに苦労していたと思いますね。