2%の利回りで100歳まで赤字に転落しない

 「世の中の流れとして、確実に言えるのは、もらえる年金の価値が下がること。そして、年金の受給開始年齢が65歳以上に引き上げられる可能性があること」と和泉さん。この2つを前提として「住宅購入」や「子どもの進学」などの一般的なライフイベントを軸にシミュレーションをすると、いろいろやりくりしてみても、80歳代半ばで赤字に転落します。

 ところが、貯蓄の残高を利回り2%で運用するだけで、手持ちの資金は100歳までマイナスに陥りません。「“投資は元本割れが怖い”と二の足を踏む人も少なくありませんが、銀行預金でさえ、口座管理料の徴収が検討されている時代。今後はお金を預けるだけでマイナスになるかもしれないのです」と和泉さんは強調します。

 iDeCoやNISA、つみたてNISAなど、節税メリットが高い制度の中でコストの安い商品を選択すれば、正味2%の利回りを達成するのはそれほど難しくないと言います。特にiDeCoなら、掛け金が所得から控除になり、その分税金が減るため、税率と同じ率で運用しているのと同じこと。「おトクに敏感な女性なら、資産運用を始めたいと思うのではないでしょうか」と、参加者を励ましました。

一人一人の状況によって必要な老後資金を計算できるシートや、自分に適した節税方法が選べるチャートなども提供してくださった和泉さん。より「自分ごと」として考えられる工夫が散りばめられていて、集まった参加者は、自分の未来を真剣に考えていた
一人一人の状況によって必要な老後資金を計算できるシートや、自分に適した節税方法が選べるチャートなども提供してくださった和泉さん。より「自分ごと」として考えられる工夫が散りばめられていて、集まった参加者は、自分の未来を真剣に考えていた