昨今、欧米を中心にグルテンフリー食材としても話題の穀物「アメリカ産ソルガムきび」。腸を整える食物繊維や難消化性でんぷんを含み、新しい“腸活”素材としても注目されています。その健康パワーと手軽なレシピをご紹介。

お通じから肥満予防まで、全身の美と健康を左右する「腸内フローラ」

 昨今、健やかな体づくりのカギとして注目される“腸活“。近年の研究では、腸内の細菌叢(腸内フローラ)が栄養吸収やお通じ、体を守る力などにも関係していることが明らかになり、腸内環境を整えることが美と健康への近道と考えられている。

 腸活における食習慣のポイントが「食物繊維」だ。不溶性食物繊維は便のかさを増し、水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサになる。さらに近年では善玉菌が産生する酪酸、プロピオン酸、酢酸などの「短鎖脂肪酸」が、腸と体に好影響を与えることが分かってきた。「短鎖脂肪酸には、大腸内のpHを酸性にして善玉菌が生育しやすい環境にしたり、大腸のエネルギー源になり、腸の動きを活発にして排便をスムーズにする働きがある。また、大腸の細胞壁を覆うムチンという粘性物質を増やし、有害物質から体を守ってくれる」と、帯広畜産大学副学長の福島道弘さん。他にも最近では、短鎖脂肪酸が腸で吸収されてエネルギー消費を上昇させ、脂肪の蓄積を防ぐという報告もある。

欧米でも注目の”腸活”食材「ソルガムきび」とは?

 そんななか、新しい“腸活”食材として注目されるのが、欧米ではグルテンフリー食材として活用される「ソルガムきび」という穀物。日本人になじみの米や小麦などの穀類と比べて、食物繊維やマグネシウム、鉄などのミネラルを豊富に含むのが特徴だ。

「ソルガムきび」とは?
紀元前約8000年からアフリカで栽培が始まり、インドや中国を経てアジア、米国など広範囲に広まったイネ科の穀物で、世界五大穀物の一つ。世界で栽培される品種は数千種以上。日本では“たかきび”とも呼ばれ、雑穀の一種として親しまれてきた。近年では、米国で食品用に品種改良されたホワイトソルガムきびが日本でも流通し、新たな健康食品として注目されている。

※「ソルガムきび」とは、アメリカ産食品グレードソルガムの認知度向上のため、アメリカ穀物協会が考案したアメリカ産食品グレードソルガム(ホワイトソルガム・ブラックソルガム)の総称。