次世代に受け入れられるリーダーとは
中堅になれば管理者への階段を上る機会が視野に入る。だがマネジメント側に移るのは不安だったり、自分にはできないと考えてしまったりしがちだ。
営業職マネジメントの鍵になるのは「対面、高頻度、ポジティブフィードバック」。この具体策を仕組みとして回すことで「メンバーの成長、管理職の成長を実現、売り上げが上がり、会社が成長する。ウィンウィンウィンになると考えます」――。
異業種の4社から集まったエイジョたちが、10年後に自分がマネジメント層(リーダー)になると仮定し、部下をどう評価して、モチベーションを引き出せるのかを提言した内容だ。
エイジョたちは「毎月1対1の面談を行い、社内会議や半期に一度の面談を廃止する」「営業メンバー同士でポジティブな意見を交換・共有するプラザ(場)をアプリ上につくる」ことを組織において仕組み化することを提言。高頻度で部下と面談することで細かなフィードバックが可能になり、部下は安心して営業活動に取り組める。また、営業の同僚同士で意見交換をして、上司以外から幅広く意見をもらえれば、スキルの向上が見込めたり、リーダーとしてのトレーニングになったりするとした。
プレゼンが示したのは、上司の指導に満足度が高い営業は共通して「対面で、高頻度にポジティブなフィードバックを受けている」人たちだった。自社の事例を引き、ことにポジティブなフィードバックを受けると、ハッピーに働けるだけではなく、売り上げにも影響が及んでいたという。
マネジメント経験のないエイジョたちが、自ら管理者になったときのことを考えるのは「(エイカレ史上)チャレンジ度ナンバーワン」(プログラムを立案・運営するチェンジウェーブの佐々木裕子社長)だった。エイジョたちのリーダーへのステップアップは着実に進んでいきそうだ。
審査を通過し発表の機会が与えられた他のチームも、受賞チームに引けを取らない結果を披露した。
エイカレサミット2018全体の参加者は23社、137人。実証実験は自社でチームを組んだ場合、18年8月下旬から10月末までの約2カ月の中の連続した4週間で行った。5年間の累計だと89社、581人に及ぶ。
エイカレは2014年、「営業の女性が出産や育児といった出来事をきっかけに現場から離れてしまう」と感じていた7社が集まり開始された。事務局のチェンジウェーブによると、参加企業から「参加したエイジョが自らのキャリアや業務を主体的に考え、行動できるようになった」「実証実験を支援した同僚や上司なども課題を共有し、職場が変化した」などという声をもらっていると話す。
文/中川真希子(日経doors編集部) 写真提供/新世代エイジョカレッジ実行委員会