週4日勤務や子連れ出勤も可能

 最後に、主催者であるLiBの永井裕美子さんが登壇。キャリア女性のための会員制転職サービスなどを展開している同社が実施している事例を紹介した。

永井さん自身も副社長として働くかたわら、NPO法人のアドバイザーとして活躍。社員にも柔軟な働き方を薦めている
永井さん自身も副社長として働くかたわら、NPO法人のアドバイザーとして活躍。社員にも柔軟な働き方を薦めている

 同社では社員のライフスタイルに合わせた週4日勤務やリモートワークに、社員が家族との時間を大切にするための制度も導入している。「日本の企業はいまだに正社員の長時間労働が課題であり、女性活躍の障壁になっています。そこで私たちは、自ら新しい働き方を実践していくことにしました。これからもさまざまな制度を導入し、家族と一緒に過ごす時間を増やせるよう支援していきたいと考えています」(永井さん)

 そんな同社の特徴的な取り組みが「375リモート」という制度。子供が37.5度以上を発熱したときは、社内用チャットで「375リモート発令」などと送信しさえすれば、気兼ねなくリモート勤務に変更できる制度だ。「保育園などでは37.5度以上発熱すると預かってもらえません。そんなとき罪悪感にさいなまれながら休む社員が多かった。この状況を変えようと制定しました」

 さらに誕生日や記念日など、「ここ一番」というときに大事な人と過ごすために休暇を取れる「ココイチ休暇」という制度や、子どもを連れて出社できるようキッズルームも完備されている。「今後も家族と一緒に働く職場作りを進めていきたいです」

 今回のイベントでは、社風を生かしたユニークな制度から、課題解決に直結する現実的な制度まで、さまざまな施策が紹介された。4社に共通するのは「社員に生き生きと働いてほしい」という思い。社員の多様な働き方を尊重しなければ、持続的な成長は難しいと真剣にとらえる企業の姿が伺えた。

取材・文/華井由利奈 写真/花井智子 構成/飯泉 梓(日経doors編集部)