いずれは出産したいと考える女性のために、意外と知らない妊娠の基礎知識をお伝えします。第1回では、女性の体と妊娠の仕組みについて、産婦人科医の高橋怜奈さんに聞きました。

 結婚や出産はいつかしたい、でも、もうちょっと後でもいいかな? と考えているdoors世代は多いのではないでしょうか。妊娠・出産の時期や子どもの数は、キャリアプランやライフプランを大きく左右します。とはいえ、女性にとって出産できる期間には限りがあって、思った通りのタイミングで絶対に妊娠できるわけではないのも本当のこと。子どもを持つ「いつか」のために、まずは妊娠する体としての自分自身に向き合ってみましょう。「今は仕事にまい進したいから」と、避妊したい人にとっても役立つ知識です。

女性は胎児の時に一生分の卵子ができる

 妊娠して赤ちゃんを産むことができる女性の体。そもそも女性に備わっている生殖機能は、どんな仕組みになっているのでしょう。

 生理が来る女性は、毎月1回排卵し、妊娠する準備をしています。

 生理周期は人によって違いますが、だいたい25~38日ほど。排出された卵子が受精しなければ、受精卵が着床して赤ちゃんのベッドになるはずだった子宮の内膜が剥がれ落ちて出血、また次の妊娠の準備が始まるというのが、女性の体の中で起きている生殖機能の動きです。卵子の誕生から排卵までについて、高橋さんはこう話してくれました。

 「卵子は、女性がお母さんの胎内にいる時に、一生分つくられます。初潮から閉経までの間に、排卵されたり、排卵されずに体に吸収されたりするものもあります。卵巣の中に、目に見えないほど小さな卵子がたくさんあり、排卵時期が近づいた卵子はだんだん大きくなって、エコーでも確認できるほどになります」

 卵子は、初潮が訪れる頃につくられるわけではないんです。あなたがお母さんのおなかの中にいる時に、既に一生分の卵子がつくられていたなんて、ちょっと驚きですね!

 女性特有の毎月の生理。でも、女性の中には毎月生理が来ない人や、月に2回来るという人もいます。生理不順でも、排卵はちゃんと行われているのでしょうか。

 「基本的には生理の回数分、排卵が起きているはずですが、実は不正出血である可能性もあります。月に2回生理が来ると思っているケースでも、排卵が月に2回起こることは基本的にないので、2回のうちの1回は不正出血であることが多いです。ただし、月と周期によっては、月の初めと終わりに生理があり、計2回となることはあります。まずは婦人科を受診して、その原因を知ることが大事ですね」