卵子の老化によって妊娠の確率は下がる

 とはいえ、先々に妊娠したいと考えるならば、将来妊娠できる可能性のある体なのかどうか知って安心しておきたいところですよね。では、自分が妊娠しやすいかどうかは、何を調べればよいのでしょうか?

 「妊娠のしやすさは、正直、妊娠してみないと分からないんです。妊娠はいろいろな要素が重なって初めて成立するもの。もともと生理不順だったからといって妊娠しないとは限らないし、子宮頸管が精子を受け入れやすいか、卵管がちゃんと通っているかといった女性側の体の問題もあれば、精子との相性などパートナーとの問題、また男性因子が授かりにくさにつながることもあります。不妊治療専門の病院でしっかり調べて、データ上は何も問題がないのに体外受精がうまくいかないケースもあって、医学でも説明できない部分もある。だから妊娠には、奇跡的な一面もあるといえます」

 中には、「自分がちゃんと排卵しているか知りたい」という人もいます。確かに知りたいところですよね。ただ、長期にわたって基礎体温を測ったり、血液検査でホルモンの値を調べたりしないと、女性の体内で排卵が行われているかどうかを厳密に知るのは難しいとのこと。検査で妊娠しやすさの一つの目安を知ることはできても、妊娠しやすい体かどうか、確実に知る方法はないのです。

 さらに、妊娠できる年齢にリミットがあること、そして加齢によって妊娠・出産する上でリスクが伴うことは事実だと、高橋さんは言います。

 「年齢を重ねると、どんなに外見が若くても年齢と同じく卵子も年を取ります。年を取った卵子は、受精卵や胚にならなくなってしまったり、染色体異常があったりすることも多くなります。これは加齢だけが原因ではありませんが、年齢が上がるほどその確率が高くなるのは確かです」