いつかは妊娠・出産したいと考えているdoors世代のために、妊娠の基礎知識をお知らせしているこの連載。前回までは、妊娠の仕組みや妊娠のベストタイミングについて学んできましたが、ここからお伝えしていくのは、将来妊娠を考えるなら今、やっておくべきこと。今回は、意外と知らない婦人科検診の大切さを、産婦人科医の高橋怜奈さんが教えてくれました。

将来妊娠したいならまずは産婦人科へ

 年齢的にはまだ妊娠できそう? 妊娠に関するリスクが高まる年齢にはまだ時間がある?――「まだ20代・30代だし、今まで通りに過ごしていれば大丈夫」なんて思っていませんか? でもそれは正しい判断ではないようです。この先いつかのタイミングで妊娠したいと思っているのなら、今やっておくべきことはたくさんあります。

 「先々の妊娠を考えているのなら、体調に問題がなかったとしても、まずは産婦人科へ行くべきです」と高橋さんは言います。特段不調でなければ婦人科にかかっている人は多くないかもしれません。また、職場で健康診断があったとしても、婦人科系の項目を設けているところは非常にまれです。

 産婦人科を受診して、医師と話をすることはとても重要。生理時のトラブルや、普段の体の状態について医師に相談してみることが、自分の体を知る近道になります。

 それに、「婦人科系の検査のうち特に、子宮がん検診と経腟の超音波検査は、年に一度は受けてもらいたい」と高橋さんは強調します。 膣から機械を入れてチェックをする超音波検査で、子宮筋腫や卵巣腫瘍などに気付くことができるそうです。

 「子宮がんは、症状を自覚した時は既にかなりの進行状態であることも多いので、早期発見のためにも検査が重要です。超音波検査はどこの産婦人科でも受けることができます。病院で『エコー検査を受けたい』と言えば伝わりますよ

 住んでいる自治体が薦める子宮がん検診は、子宮の出口のチェックや触診だけなので、子宮や卵巣の様子までは分からず、骨盤の中の異常を見つけるには限界があるといいます。いざ妊娠したいと思ったときに大きな腫瘍が見つかって手術が必要になると、ロスタイムが生じるというリスクがあるので、超音波検査も受けておきましょう。