「上司や同僚とコミュニケーションがうまくいかない」「仕事のモヤモヤが多くて悩んでいる」――。そんな人は、ちょっとした「1アクション」を心掛けてみては? ひと工夫で仕事がもっと楽しくなるティップスを、業務改善士の沢渡あまねさんにお聞きします。

 仕事をしていたら、色んなことがある。

 周囲とうまくコミュニケーションができなかったり、上司や同僚に少し腹を立ててしまったり、仕事自体にやりがいを持てなくなってしまったり……。でも、きっと、それでいい。人間が仕事をしている以上、「感情」はどんなときでもついてくる。うまくいかないことだって当然ある。大切なことは、「心のモヤモヤ」をきちんと消化して、よりよいチーム作りや質の高い成果につなげることなのだと思う。

 かく言う筆者も、うまくいかない毎日の連続だ。社会人2年目。自分は何が得意で、何に向いているかなんて、まだ分からない。経験豊富な先輩記者に少しでも早く追い付くために、必死で、毎日を生きている。

 ある日、先輩記者とのコミュニケーションがスムーズにできず、ついムッとしてしまったことがある。「感情を表に出してしまうなんて、社会人失格だ……」と落ち込んでいた時、ある言葉を思い出した。

 「チームで仕事をする上で一番大切なことは、『自己開示』をすること」――。

 過去に取材でお会いした、業務改善士・沢渡あまねさんの言葉だ。いわく、「こんなことを言われたらモチベーションが上がります」「〇〇のスキルをどんどん磨いていきたいです」「××までには△△を達成するという目標があります」「実は、こんなことは苦手です……」など、自分の仕事哲学や得手不得手なことを上司や同僚、チームのメンバーに「自ら発信する」ことが大切だそう。

 この言葉が筆者を救った。沢渡さんのアドバイスに倣い、先輩記者におわびを伝えた上で、自分の仕事に対する思いも伝えてみた。先輩も、その思いを理解し、尊重してくれた。さらに、今後の仕事の進め方についても議論を重ねることができた。「どんなにささいなことでも、いかに『改善』を積み重ねていけるかが、仕事そのものの醍醐味かもしれない」。そう思った。


 この連載では、仕事をうまく進めるためのコミュニケーション術や、ムダな作業を減らすためのノウハウ、さらには「仕事が面白くない」と感じたときはどう対処すべきか、という疑問に対する、沢渡さんのアドバイスをお伝えしていく。毎月第3週に公開予定なので、読者の皆さんが「コミュニケーションって難しいな」「どうしたら上司や同僚に考えが伝わるかな」と悩んだときは、ぜひ、この連載を参考にしてほしい。

業務改善士の沢渡あまねさん。「仲間と仕事をする上で大切なことは『自己開示』をすること」と話します

 筆者自身も、悩みながら、迷いながら、1歩を踏み出している一人だ。どうか、失敗したり悩んだりしたときに、「こんなことでつまずくなんて、カッコ悪い」と思わないでほしい。悩むということは、真剣に仕事に取り組んでいるということだと、信じている。私たちの「決して順風満帆ではない仕事人生」を応援できるような、一緒に進んでいけるような、そんな連載を作っていきたい。そして、今後ご紹介するアドバイスを、日々の仕事で生かしていただけたら、こんなにうれしいことはない。

 悩んだら、まずは「小さな1歩」を踏み出してみよう。きっと、1アクションで、仕事はもっと、楽しくなるはずだから。

文/浜田寛子(日経doors編集部) 写真/工藤朋子