Q. なかなか会話のきっかけがつかめない場合は?
日時とテーマを決めて、「読書会」や「意見交換会」をしてみるといいですよ。実際に、「仕事に関連のある本を読み、月に1回、昼休みや業務後にその感想を伝え合う」という取り組みを行っている企業もあります。本だけでなく、「気になったニュース」や、「ウェブサイトの記事」について意見交換をするのもいいですね。
そうすると、普段はなかなかタイミングが合わない人とも話すことができ、相手の考え方や視点などを知ることができます。反対に、自分のこだわりや興味のあることを、さりげなく言語化して伝えることもできます。
個人のスキルに頼るのではなく、自然とコミュニケーションが活性化するような「場」をつくる。こうした「設計上」の工夫も、とても大切だと思います。
Q. 上司が忙し過ぎて、話しかけるタイミングが……
その都度タイミングを見計らうのではなく、一度「報連相のためのまとまった時間を取ってください」と、お願いしてみるといいでしょう。コミュニケーションを取るという行為を「仕組み化」するのです。
コミュニケーションは「上司に話しかける勇気」や「上司の機嫌」などに左右される面もあり、気合いと根性が求められるので、「仕組み化」が重要です。ある企業では、部下とのミーティングを仕組み化し、「週1回・最低30分、必ず部下とのミーティングを行う」と決めているそう。こうした事例を参考にしてみるのもいいかもしれませんね。
上司とのコミュニケーションは、スキル依存から脱していただきたい部分。あなたの仕事内容や状況に応じて、下記のような「仕組み」を提案してみましょう。
(1)「時間」きっかけ
例「〇曜日の〇時~〇時は、仕事の進捗報告と相談をさせてください」
(2)「条件」きっかけ
例「企画書を書き上げたら毎回お声がけしますので、そのときは内容についてゆっくりと相談させてください」
どんな仕事をする上でも、「チームの雰囲気づくり」は重要ですよね。業務をスムーズに進めるためにも、日ごろのコミュニケーションを「仕組み化」することは一つの手。「最近、職場の雰囲気がよくないなぁ……」と悩んでいた方は、ぜひ試してみては? 次回は、「転職願望あり過ぎ問題」について沢渡さんがアドバイスします。
取材・文/青野梢 イメージ写真/吉澤咲子 構成/浜田寛子(日経doors編集部)