挑戦したかった夢や目標をキャリアに引き寄せる選択肢、「複業」。特に、結婚、出産・育児など、ライフイベントによってライフ&ワークの優先順位が変わりやすい女性たちにとっては、「自分らしいキャリアを持続させる環境づくり」にもつながるステップとしても期待できます。今回は、複業を始める上で押さえておきたいポイントをお伝えします。

「半径5mのニーズ×可処分時間」を考えよう

 まず、「複業にチャレンジしてみたいけれど、何から始めたらいいの?」という人は、「半径5メートルの世界に役立てること」と「可処分時間」の掛け算から考えてみることをおすすめします。

 可処分時間とは、「自由に使える時間」です。複業の原則は、本業に支障を来さず、むしろプラスにつながること。「本業にかける時間・エネルギーを維持したまま始められること」が、複業の大切な条件になっていきます。

 「半径5メートルの世界」については、僕の例で説明しましょう。

「社内メルマガの配信」が複業のきっかけに

 僕が社会人1年目の会社員時代に、初めて複業を始めたときの例です。学生結婚をして既に父親になっていた僕は、「すぐにでも役立つ人材となりたい」と意欲を燃やしていました。経験もスキルもない新人でも何か貢献できることはないか。そう考えて始めたささやかなアクションが、僕の複業人生の第一歩となったのです。

 学生時代から事業開発に興味を持ち、起業家が主催する勉強会にも参加していました。入社が決まったリクルートエージェント(現在の社名)でも新規事業開発部門への配属を希望。ところが、決まった配属先は求人営業の部門で、当時、立ち上がったばかりのインターネット業界専門の部署でした。他部署から集められた先輩たちのほとんどが、インターネット業界についての情報収集はこれからという状況でした。

 「これだ!」。僕は、自分自身の勉強も兼ねて、先輩たちも求めていた業界情報を集めてダイジェストとしてまとめ、「社内メルマガ」として毎日配信することにしたのです。その名も『日刊創一朗』。まさに、当時の僕の「半径5メートルの世界」=部署の役に立つために始めた小さなアクションでしたが、徐々に評判を呼び、社内の勉強会にも呼んでいただくようになりました。

隙間時間を活用して「社内メルマガ」の配信を始めた西村さん。後に、このアクションが、複業へとつながっていったそう(写真はイメージ)