「ニーズがあって誰もやっていないこと」なら価値あり

 もともと僕は情報収集が好きで得意。「ストレングスファインダー」などの強み分析をすると、決まって「収集心」という結果が出るほどなので、情報を集めて、それらを加工することはまったく苦になりませんでした。「誰でもできること」であっても「ニーズがあって誰もまだやっていないこと」であれば、十分に人に喜ばれる価値はある。それを実感できた成功体験でした。この経験がきっかけとなり、社外の人にも向けられる情報発信としてブログを始め、その活動が社内のキーパーソンの目にも留まって、希望していた事業開発部門への異動もかなえられました。複業として始めていたことが「希望の本業」への橋渡しとなってくれたのです。

本業優先、継続してできることを条件にしよう

 さて、ここで強調したいのが、社内メルマガやブログ配信のためにかけた時間の捻出法です。繰り返しますが、「本業優先」は複業の大原則。本業以外のTo Doにかけられる可処分時間はどこにあるのかを冷静に考えた結果、僕の場合は片道1時間半、往復で計3時間の「通勤時間」がその答えでした。電車内が混み合えばパソコンを開くことはできないので、立ったままでもできる「スマートフォンの操作だけでもできる」ことを条件にしたのです。メルマガ配信のための情報収集や入力は、この条件をクリアするものでした。

 また、継続する上でランニングコストや在庫が発生しないこともポイントです。自分の意思一つで更新ペースの変更や一時休止の判断ができることも、本業優先をまっとうするために重要だと思います。

「周囲のニーズ」と「自分の強み」を探ろう

 誰かの役に立った対価としてお金を頂くのがビジネスの基本です。まずは「身近な人のためにできることはないか?」と社内を見渡してみてください。あるいは、「私が得意なことって何だと思う?」と同僚に聞くのもおすすめです。その役立てそうなことを、無理のないペースで始めてみて、評判上々となれば少しずつ提供先を広げていく。これが安全かつ着実な複業の始め方です。

自分の得意なことが分からない…。そんな方は、周囲の人に聞いてみるのもおすすめです(写真はイメージ)
自分の得意なことが分からない…。そんな方は、周囲の人に聞いてみるのもおすすめです(写真はイメージ)

 いよいよ、新年度がスタートしました。「何か新しいことにチャレンジしたい!」と考えている方は、ぜひ、これらのアドバイスを参考にしてみてくださいね。次回は、「複業の始め時」や、同僚や上司の理解を得るために気を付けておくべきポイントをご紹介します。

取材・文/宮本恵理子 イメージ写真/吉澤咲子 構成/浜田寛子(日経doors編集部)