人生の重要ステージとしての恋愛について真面目に考える連載「社会人の恋愛2.0」。今回は、同じ会社の同期同士で交際中の20代カップルを取材。交際が始まったきっかけや、社内恋愛のメリット、難しさなどを聞きました。

女性:村上ユリさん(仮名)・24歳
勤務先は、ソフトウエアなどを法人向けに販売する会社。ユリさんは、同社でお客さんに対してシステムの使い方などを説明するセミナー講師として働く。趣味は料理、植物を育てること。彼の好きなところは、「仕事に対して真面目で、一緒にいて居心地がいいところ」。

男性:北西 悠介さん(仮名)・26歳
ユリさんと同じ勤務先で、営業の仕事に従事。現在、米国公認会計士の資格取得に向けて勉強中。彼女の好きなところは、「いい意味でこだわりが強いところ」。

研修で同じ班に 彼からのアプローチを経て交際

 IT企業に勤める二人。交際は、悠介さんからのアプローチで始まった。

 「もともと、二人とも同じ営業の部署にいました。1年目の社内研修で、同じグループになったんですが、席が近かったこともあり、ユリのことが気になっていたんです。単純に『かわいなー』と(笑)。その後、他の同期も含めてランチへ行ったり、話したりするようになり、仲良くなりました」(悠介さん)

 研修をきっかけに心理的距離も縮まった二人。その後、悠介さんが営業の同期の中で1番早くお客さんから受注できたというお祝いと、ユリさんの誕生日祝いも兼ねて、二人で食事に出掛けることに。その数週間後、悠介さんから「付き合ってほしい」とユリさんに告白。しかし、彼女は「その時は、お断りしました」と話す。

 「彼から告白された時、私は、西日本エリアへの転勤が決まっていたんです。私は、いつか東京へ戻りたいと考えていました。でも、その異動希望を上司や人事担当者に伝えたときに、『東京に彼氏がいるから戻りたいのでは?』と邪推されることが嫌だった。だから、彼のことは好きでしたが、『西日本にいる間は、東京に彼氏はつくりたくない』と、彼に正直に話しました」(ユリさん)

「彼のことは好きだった。けれど、西日本にいる間は『東京に彼氏はつくらない』と決めていました」(ユリさん)
「彼のことは好きだった。けれど、西日本にいる間は『東京に彼氏はつくらない』と決めていました」(ユリさん)

 一昨年の秋、ユリさんは西日本へ転勤。だが、そこで悠介さんは思い切った行動に出る。

「クリスマスの予定は、空けておいてほしい」

 そうユリさんに伝え、クリスマス当日、彼女に会いに行った。そこで、改めてユリさんに「付き合いたい」と思いを伝える。偶然にも、その頃に会社の組織編成が行われ、ユリさんは再び東京に戻ることが決まっていた。「東京へ戻れることも分かっていたし、私も彼のことが好きだったので、その時から正式に交際を始めました」(ユリさん)

社会人1年目のクリスマスに悠介さんが再度、告白。「(私が)東京へ戻れることも分かっていたし、私も彼のことが好きだったので、お付き合いを始めました」(ユリさん)
社会人1年目のクリスマスに悠介さんが再度、告白。「(私が)東京へ戻れることも分かっていたし、私も彼のことが好きだったので、お付き合いを始めました」(ユリさん)

交際約2カ月で同居 「家事分担のルールはあえてなし」

 晴れて交際がスタート。悠介さんは当時、実家暮らしをしていた。だが、ユリさんの自宅に会いに行ったり、翌日も彼女の家から出勤したりすることもしばしば。交際が始まり、2カ月ほどたったタイミングで、「(悠介さんが)荷物を逐一実家に取りに行くのも面倒だから、一緒に住む?」とユリさんから同居を提案した。

 「家事分担のルールは、あえて決めていません。(家事がたまっていると)気付いたほうがやって、やってもらった側はフェアになるようにしています。例えば、どちらかがご飯を作ったら、どちらかが洗い物を率先してする、など。同じ勤務先で生活のリズムが似ているからこそ、家事をするタイミングも必然的に一緒になる。家事が原因でもめることはありませんし、繫忙期もお互いに分かっているので、大変なときは支い合えます」(ユリさん)

ユリさんの1日のスケジュール
9:00 出社
お客さん向けのセミナーで講師として働く
20:30 退社

悠介さんの1日のスケジュール
9:30 出社
※午前中にアポがある場合は、直接お客さんのところへ
20:30 退社