さまざまなフェーズに立っている注目の起業家を取材する連載「起業 NEXT doors」。初回は、AIが恋愛をナビゲーションする世界初のサービス「Aill」(エイル)を立ち上げた、豊嶋千奈さん。 彼女が事業を始めようと思った大きなきっかけは、個人的な恋愛の悩みからだった。どうやったら仕事をバリバリ頑張っている女性たちが、理想のパートナーと出会って私生活の充実を図れるのか。大手製薬会社を辞めて、起業を決意。マッチングサービスに出会い以降のコミュニケーションをサポートするAIを導入することを思いつき、AIの研究者に直接アプローチした。しかし、ちょうどその頃、事業資金がなくなった。

AI×恋愛で起業「仕事できても彼なし」きっかけ(上)
AI×恋愛で起業「仕事できても彼なし」きっかけ(下) ←今回はココ

 事業計画を進めている最中で、資金がなくなった。大手企業でMRをして働いていた頃は年収が1000万円近くあったという豊嶋さんだが、お金に困ることなく自由に暮らしていた会社員時代から、生活が一変した。

「今までお金に困ったことがなかったので、試練が続きました」
「今までお金に困ったことがなかったので、試練が続きました」
<豊嶋千奈さんの起業 5つのdoors>1.自分の悩みから事業アイデアを着想/2.社会課題解決の使命感を持つ/3.融資側の立場を理解し、資金を調達/4.メンバーや専門家を巻き込む/5.ピッチ大会に出場する

年収1000万円から収入ゼロ 不安の中で起業準備

 「会社も辞めてしまっていたので、収入がない状態。これまで送っていたような生活は維持することができませんでした。スーパーで半額になった総菜を手に取り、節約に励む毎日です。月5万円の安いアパートに引っ越して、生活水準を下げて暮らしました