doors世代の起業家たちは、いつ事業のアイデアを考え、どうやって起業までたどり着いたのか。何につまずき、何が転機となったのか。起業の先にどんなドアを開こうとしているのか。さまざまなフェーズに立っている注目の起業家を取材する連載「起業 NEXT doors」。今回は、こだわって作られた野菜などの新鮮な食材を取り寄せられる「食べチョク」を運営している秋元里奈さんに話を聞いた。
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入社して、新規事業を立ち上げたかった
真冬の取材日にTシャツ1枚という軽装で現れた秋元里奈さん。Tシャツにも、手にしたパソコンやスマホケースにも「食べチョク」や野菜のデザインが描かれ、自社を愛し、経営に全力を注いでいる情熱が伝わってくる。2016年に「ビビッドガーデン」をたった一人で創業し、生産者から直接食材を買うことができる通販サイト「食べチョク」を運営するようになって丸3年が過ぎた。
「今は会社を軌道に乗せる時機が過ぎ、大きくしていくフェーズに入ったと感じています。局面が変わると新たな課題が出てくるので、必死ですね」
ディー・エヌ・エーに新卒で入社した時点では、「起業という選択肢は全く考えていなかった」。何か新しいことを始めるなら、新規事業の立ち上げか、社内ベンチャーに携わりたい。そう思っていたが入社1年を過ぎた頃、ディー・エヌ・エー取締役会長の南場智子さんが「これからはヘルスケア事業に力を入れていきたい」と語っているのを聞き、気持ちに変化が生じた。