ADHDのせい? 自分へのダメ出しで自信喪失

 「当時は、自分がADHDだとは知らなくて。自分の何が悪いんだろう、とただひたすら悩みました。性格的なものが原因か、それとも外見的なものが原因か。自分にあらゆるダメ出しをして、どんどん自信がなくなりました

 毎朝、クローゼットの服を全部引っ張り出して、コーディネートを考えた。大学にはナチュラル系の女子が多いから、浮かないようにしようと思った。でも、体が立体的だと、ナチュラルな服を着てもナチュラルに見えず、太って見えてしまう。あるとき、玄関脇の鏡に映る自分の姿が目に入り、外出する気がうせた。

 「なんかもう、全然ダメ! って感じで猛烈に嫌気が差して。その日大学を休んだら、それがトリガーになってしまって、休むことに対するハードルがずるずる下がって不登校に。外に出る回数も減りました」

「ダメだと思ったら、そのままずるずると…。でも、なんとかはい上がりたかった」
「ダメだと思ったら、そのままずるずると…。でも、なんとかはい上がりたかった」

 そんな半引きこもりのような状態は、大学1年の夏から3年の夏まで続いた。親にはいい格好したくて、言うことができない。「関東の大学に出してもらって、一人暮らしをさせてもらっている。長女としてしっかりしなくちゃ、という過剰な自意識のような使命感を抱きました」。その重さは自らの自由を奪ったが、そんな状態から脱したいという底力もかき立てた。大学で友達ができないなら、バイトをして見つけようと思えるようになり、ネットカフェで働き始めると、転機が訪れる。