英会話教室探しで嫌な思い

 「英語を一から学ぶに当たって、英会話教室に通うことを最初に考えました。でも、当時の私にとっては、授業料や教材費がすごく高かったんです。しかも、私の住む地域にあった英会話スクールは高額なチケットを購入する必要がありました。また、教室に説明を聞きに行くと、その後毎日、勧誘の電話がかかってきて、見学に行くのが怖くなりました。ただ英語が学びたいだけなのに、その学びの場に行くこと自体に不安を覚えるなんてとても嫌ですよね。結局、英会話教室に通うのは諦めて、大学の中で英語の講義をなるべくたくさん受けました。それでも全然周囲の英語力に追い付かなかったのですが……」

「周りの学生とはもうスタートラインが違っていた。私は『be動詞』とは何かというところから勉強し始めました」
「周りの学生とはもうスタートラインが違っていた。私は『be動詞』とは何かというところから勉強し始めました」

留学をいったん諦めて就職

 大学3年生になると就職活動が始まったが、当時は東日本大震災の影響もあり、求人が限られ、厳しい状況だった。もう一度、留学にチャレンジすることを考えていたところ、ある友人に声を掛けられる。

 「同じクラスだった友人がJAバンクに就職が決まったんです。その友人から『周りに優秀な知り合いがいたら、追加募集に推薦するようにと人事から言われているの』と誘われました」

 誘いのままに入社試験を受けると合格。留学するか就職するか悩んだ岩崎さんだったが、大学の教授には就職を勧められた。

 「『大学院を出ても、そのときに景気が良くなっているかは分からない。せっかく就職できたのだから、自分でお金を貯めれば留学はできる。まずは、就職してみては』と言われたんです。そうか、確かに『勉強はいつでもできるものだな』と思って、とりあえず就職を選びました」